カテゴリ:ベトナム政治・経済・社会観察
ベトナム経済の最近の不調ぶり、あるいは不調の表れぶりは、多少外国メディアでも報道されているようですね。先日は中国CCTV4の割と硬派な討論番組「今日関注」でも「ベトナム経済はどうなるか?中国への影響は?」てな特集をしており、注目を集めているんだなあと変に感心しました。 特に市民の生活に影響の深いのは、インフレとドン安(ドル高)でしょうか。4年前にハノイに来てから1ドル=16,000ドンという相場はほとんど変わらなかったのですが、ここ数日でドンが急落、いわゆる銀行での公式相場はほとんど変わらないのですが(それでも16,500にはなったでしょうか)、闇の両替商でのレートは上がるばかり。一時期は19,600ドンと20,000ドン台の大台を窺う勢いでした。現在は闇でのレートが18,000くらいにはなっているようですが、一時間ごとに変わるという最近の(実勢)為替レートの変動は、多くの市民に「ドル買い」心理を植え付けているようで、自分の職場でも「ドンで給料を受け取っているが、ドルに換えたい」と心配しているベトナム人スタッフも多いです。 公定レートは自由変動ではないので大きくは変わらないですが、いわゆる市中の実勢レートを政府が規制するのも難しいみたいです。一部の闇両替商は店を閉めさせられ、大手を振った取引ができなくしたりしています。が、ドル・ドン取引は口コミや知り合い同士でやられているようです。海外を商売をしている人はどうしてもドルを手に入れなければならず、それが更にドル高を加速させています。ドンの価値が下がる(と見込まれる)中、ドン預金の金利もどんどん上がっているようで(一時期は12%までとか制限していたのですが)、年利15%以上も珍しくないようです。 「ベトナム経済のファンダメンタルはまだ確か」というエコノミストも多いですが、わりと口コミとかに弱いベトナム人たちの「心理的」経済活動が加速すると、思わぬ方向に経済が向かう可能性も無くは無いなあと、明日からの為替相場に注目するところです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月22日 23時19分49秒
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