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17日に打ち上げ予定だった、JAXAの次世代主力ロケット「H3」の試験1号機が、発射直前に突然打ち上げ中止となった。異常を検知してシステムが補助ブースター「SRB-3」への着火信号を送出しなかったことが判明した。どのような異常を検知したのかは、今後の解析待ちになる。
午後に行われたJAXAの会見で、打ち上げ中止の経緯が説明された。その時に話題となったのが共同通信のとある記者の質問。上から目線での質問で、中止か失敗かを問いただし、「それは一般に失敗といいます」と締めくり、それは一部ネット上で物議を釀した。(詳細はこちらのリンク先を参照) フェールセーフという考え方がある。なんらかの装置・システムにおいて、誤操作・誤動作による障害が発生した場合、常に設計時に想定した安全側に動作するようにするのだ。 今回の「H3」打ち上げで考えれば、打ち上げシーケンスのあるフェーズで、異常を制御用機器が検知した。それに従ってシステムは打ち上げシーケンスを中止する命令を発し、打ち上げ中止に至ったということだな。 これはこれで正常動作であり正常終了である。もし、異常が有るにも関わらず、打ち上げシーケンスが続行されたら、最悪「H3」が空中爆発して、海の藻屑となっていた可能性がある。失われるH3試験機1号機及び搭載されていた先進光学衛星「だいち3号」の損害額はどのくらいになるだろう? それより痛いのは、明らかな打ち上げ失敗なので、「H3」の信頼性が国際的に低く評価される事である。これから衛星打ち上げビジネスに打って出ようという時に評判を落としてしまうのは、国益を損ねることに他ならない。 だから「失敗」としてはいけないのだ。「中止」というのが妥当。確実に中止になった原因を突き止め、対処して、次回必ず打ち上げを成功させれば宜しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年02月18日 18時30分05秒
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