昨夜、寝る時に聞いていたラジオでニュースを聞いた。
羽田空港 航空機衝突事故のニュース。消防隊員の証言があった。以下、ニュースを引用する。
取材に応じたのは国土交通省の東京空港事務所に所属する消防隊員で、事故当時、消火にあたった成瀬眞之介さんです。
出動した6台のうち、1台の責任者で、ほかの車両との連携などを担っていました。
成瀬さんは事故発生の直前、空港の西側にある庁舎で、消防車の整備を行っていたところ「C滑走路上で火災が発生した」という管制からの連絡が庁舎内のスピーカーから流れ、現場に急行しました。
C滑走路で停止した日本航空機に向かう途中、車内に設置されている無線に「脱出用シューターが開いている」という連絡が入ります。
成瀬さんは当時の心境について「燃えているのが旅客機だとわかり、多数の人命がかかっているということで危機感が増しました」と振り返ります。
そして、消防車がC滑走路に入ったところでオレンジ色の炎が見え、日本航空機の左エンジンと左の翼が激しく燃えているのがわかったということです。
日本航空機のそばに到着すると、炎は機体の高さを超えるほどにまで立ち上っていて、成瀬さんは、まだ乗客が残っていた機体内部の温度を下げるため胴体部分への放水を行いました。
消火活動中、機体前方の2つの脱出用シューターに加え、炎上を続けていた左エンジンの後方にあるシューターも開いていることを確認したということで「エンジンの後方から冷却するような形で火がそれ以上、後ろにいかないように消火活動を行いました」と話していました。
一方、成瀬さんの話からは、機体から脱出したあとの乗客の避難誘導に関する課題も見えてきました。
乗客は脱出用シューターからは次々と出てきましたが、その後、そのまま機体の付近にとどまり、家族を待っている人や機体の方を見て立ちすくんでいる人が複数いたということです。
成瀬さんは「火災に巻き込まれる可能性もあるうえ、消火活動の妨げにもなるので『危ないから逃げてください』『見ていないで逃げてくれ』と声をかけ、声をかけるだけでは動けない方もいたので肩を引っ張るような形でお願いをしました」と話していました。
そのうえで「実際にこれだけの命がかかっているというのは過去にない経験でした。今回の消火活動の経験も踏まえ、どんどんレベルを上げていきたいと思います」と話していました。
優先すべきは、火を消すことではなく、機体内部の温度を下げるため胴体部分への放水なんだ。
緊迫の現場で瞬時に正しい判断を下すなんて、なんてプロフェショナルなんだろう。彼らの的確な仕事のお陰で、被害は最小限になったと思う。