少子化の影響で、羽生市の小学校は統廃合で再編される。三田ケ谷小は来春閉校になる。
三田ケ谷小学校の児童は、国の天然記念物「宝蔵寺沼ムジナモ自生地」(埼玉県羽生市)の保全活動を40年余りに及んで取り組んできたんだって。その成果を三田ケ谷小近くの県立さいたま水族館に手作りのポスターを展示しているそうだ。
国の天然記念物「宝蔵寺沼ムジナモ自生地」(埼玉県羽生市)の保全活動をしている市立三田ケ谷小学校の児童が、近くの県立さいたま水族館に手作りのポスターを展示し、40年余りに及ぶこれまでの取り組みを紹介している。同小は少子化による統廃合で、来年3月に閉校する予定。児童たちは「次の代にも、この活動を引き継いで」と願っている。
ムジナモは根がなく水面に浮かぶ水草で、台風や洪水で流されやすい。都市開発や農薬による水質悪化の影響もあり、自生地は世界でも50カ所ほどしか残っていないとされる。宝蔵寺沼では水害などで一時は絶滅したが、市民グループが別の場所で育てていた同系統の株を戻し、自生地を再生させる取り組みが続けられている。
同小は、1983年から毎年、校内の池でムジナモを栽培して増やし、6月ごろ自生地に放流している。本年度は全校児童55人のうち、主に5、6年の15人が分担して育ててきた。夏休み中も、自主的に登校して藻を取り除くなどの世話を続けたという。
ポスターは、こうした活動を写真付きで紹介。24日には、館内で児童たちが地域住民向けに発表会を開き、ポスターを示しながら「ムジナモの捕食は人間のまばたきより速い」「大切に育てると、花が見られる」などと魅力を伝えた。
6年の飯田奈央さん(12)が世話を続けた理由は「愛があるから」。発表に「ムジナモの大切さが伝われば」との思いを込めた。5年の久保田悠奈さん(11)は「一生懸命に生きようとしている生き物の命は美しいし、いやされる。ムジナモの世話と自然を大切にする心を次の代にも受け継いでほしい」と願った。
閉校後、新しい学校が保全活動を続けるかは未定。卒業生で保護者の島田和幸さん(42)は「子どもたちがやるからこそ意味がある活動。これからも続いてほしい」と話した。
水族館の藤嶋浩義飼育課長によると、現在、自生地には一定の株数が戻っているが、水害などに備えて自生地の外で株を守る利点は大きい。藤嶋課長は「自然環境はどう変化するか分からないので、万が一のために株を残しておくのは意義がある。地域の人が、自分の地域の希少な生き物をみんなで守ろうと活動するのはすごいこと」とたたえた。
ポスター展は9月1日まで。高校生以上500円、小中学生200円。
あら〜、9月1日までかい。もっと早く情報を知りたかったぞ。