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ノルウェー・ノーベル委員会は11日午前11時(日本時間同日午後6時)すぎ、今年の平和賞を、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与すると発表した。被爆者の立場から世界に核兵器廃絶を訴えてきた活動を、高く評価した。
ノルウェー・ノーベル委員会のヨルゲン ・ヴァトネ・フリドネス委員長は、広島と長崎の被爆者による草の根運動の日本被団協が「核兵器のない世界実現を目指して努力し、核兵器は二度と使われてはならないのだと目撃者の証言から示したこと」を授賞理由とした。 フリドネス委員長は、1945年8月の原爆投下以降、「核兵器使用による壊滅的な人道的影響」の世界的認識を高めるための運動を通じて、核兵器の使用は道徳的に受け入れがたいのだという「核のタブー」として知られるようになった規範が成立したと説明。被爆者の証言がこれに大いに貢献したとたたえた。 「核兵器は二度と使ってはならない」という世界的な合意形成に、被爆者が語る個人的な経験やそれをもとにした教育運動が独特の役割を果たし、核兵器の拡散と使用に反対する動きを広めたとも、委員長は述べた。 「被爆者は、語りようがないものを私たちが語ることを、助けてくれる。考えようがないものを考えることも。そして核兵器がもたらす、理解を超えた苦痛と苦悩を理解することも、助けてくれる」と、委員長は強調した。原爆の被害者に言及する際には、「ヒバクシャ」と日本語の単語を使った。 フリドネス委員長はそのうえで、広島と長崎への原爆投下以降、80年近くにわたり戦争で核兵器が使われていないのは「前向きな事実」と評価し、日本被団協による被爆者証言をもとにした「傑出した努力」が、これをもたらした「核のタブーの成立に大いに貢献した」とたたえた。 委員長はさらに、「それだけに今またしても、核のタブーが圧力にさらされているのは、非常に心配だ」として、核保有国が核兵器を刷新しているほか、新しく核兵器を取得しようとする国々もあると指摘。「継続中の戦争の一環で核兵器を使うという脅しも、繰り返されている」とも述べ、危機感を示した。 それを踏まえて委員長は、「現時点の人間の歴史において、核兵器とは何なのか、私たちが再確認しておくのは意味のあることだ。核兵器はこの世界がかつて見たことのない、最も破壊力の強い兵器なのだ」と強調した。 日本被団協については、多くの被爆者証言を記録し、世論に働きかけ、国連やさまざまな平和会議に代表団を送り続け、「非核化が喫緊の課題だと世界が忘れないよう訴え続けた」とその活動をたたえた。 フリドネス委員長は、「いつの日か被爆者は、歴史の証人としていなくなってしまう」としたうえで、日本では被爆者の「経験とメッセージを伝え続ける新しい世代がいる」と評価。「その人たちが世界中の人たちを奮い立たせ、教育し、そうすることで、核のタブーの維持を助けている。人類の平和な未来には、核のタブーが前提条件なのだから」と述べた。 日本人の一人として、とても誇りに思う。日本被団協は、日本が核兵器禁止条約に早く批准することを求めて活動を続けていくという。民間が政府の先を走っているな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年10月12日 18時45分03秒
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