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ニューストピックス

2007年01月10日
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カテゴリ:亜細亜以外
(前説)
 山崎拓とかいう議員が北朝鮮に行っているようだ・・・そんなことはどうでもいい・・・
さてさて今回は久しぶりに真面目に北朝鮮問題を取り上げてみる、いつもは真面目じゃ
無いのか!って御叱りを受けそうだが、そうではなく最近サラッとなでるだけの政治批
評しかしていなかった(はっきりいって手抜き・・・)。 反省します。

ということでかなり厳しい極東状況をこれから書きます、重いので息抜きしながら読ん
でください。


1 「六カ国協議の当初の意義」

もともと六カ国協議(日本、北朝鮮、米国、ロシア、中国、韓国)は北朝鮮の核問題から

はじまった、1993年の核疑惑後のNPT(核拡散防止)脱退をほのめかす北朝鮮に屈服した

米国はこのとき米朝二国間での取り決めで軽水炉援助といった核の平和利用を容認した、

しかしその後、2002年、米国は北朝鮮が濃縮ウラン計画を認めたと公表。北朝鮮の核開発

問題をめぐる米朝対立が再燃する、北朝鮮は再度米国との二国間対話を希望するが、米国

は前回の失政を反省し、極東地域+米国の六カ国における包括協議から妥協せず、ここに

北朝鮮の核問題をメインに据えた「六カ国協議」が行われることとなった。

ここまでが主な流れである、ここまで読んでいただければわかる通り、六カ国協議の当初

の意義は「北朝鮮の核放棄」であってこれ以上でも以下でもない。


2 「安全弁の役目であった協議」

それではここで北朝鮮と米国という主役二カ国にとってのこの協議を考察してみよう。

米国にとっての六カ国協議は米朝協議を望む北朝鮮の要求を蹴り、協議の場に引きずり出

し極東周辺国家包囲網で核放棄を決断させるというデッドラインを引いていた。

では北朝鮮にとっての協議の意義はというと、協議に出れば核放棄を迫られることは周知

のことであり、出る以上は核放棄の見返りを望んでいくということになる。つまり核放棄

というカードをちらつかせながら条件を緩和していくことが大きな目的だったはずだ。

この主役二カ国にとって、実は六カ国協議は安全弁であったのだ、核放棄か否かで揺れて

いる極東地域はこの協議がこの状態で開かれていればそれはそれでよかったのだ。


3 「核実験により崩れていく協議」

もちろん、極東国家群にとっては北朝鮮が核を放棄してくれることが望ましいわけだが、

そう簡単に放棄するわけはなくカードの出し合い、糸の緊張状態が続く・・・この状態が

長く続けば続くほど安定(真の平和的安定ではない)は保たれることになり、安全弁であ

る協議は意味あるものとして続けられるものだった。しかし、北朝鮮は偽造紙幣に対する

米国の法的措置や各国の経済制裁により「ミサイル発射」「核実験」を強行したのだ。

ここが分岐点であったのだ、北朝鮮の動きを見ていればこの核実験はいずれは行われるも

のとして認識できていた米国はデッドラインを超えた北朝鮮に対し大きな制裁を行えずに

外交戦略ハンドルを切ってしまうのだ。核実験を行うということは核を保有するという宣

言でもあるわけだから、当初の六カ国協議の目的である放棄というデッドラインを超えた

北朝鮮に対し米国は制裁決議を迫らなければならないはずだ、強い経済制裁、武力行使など

をすぐに行ったかというと・・・結果は報道通り、核を持った北朝鮮が眼前に浮かび上がり

次は二回目の実験を行うか否かというカードを突きつけられている。


4 「米国の一貫性の無さ」

では二回目の実験を行ったという表明を北朝鮮が行ったとしたら? おそらく米国は何もし

ない。つまり北朝鮮が核保有国となっても当分は何もしないということだ。米国が本気で動

き出すのは核弾頭を搭載したミサイルが米国を射程距離におさめたと認識できたときだけ。

デッドラインを下げていく米国、デッドラインを超えていく北朝鮮、奇妙な外交均衡が取れ

ていた核放棄を議題とした六カ国協議は形骸化し、今は単なる世界に対する見世物ショーで

しかないのだ。


5 「これを打開するのは」

中国がどう動くか、この一点。 核を保有しブラフ外交を続ける北朝鮮を疎ましく思うコキ

ントウがどこで米国と手打ちをするのか、どこで動き出すのか。 ただ中国内でも日本国内

と同じように「半島に手を出すと痛い目にあう」という論者は非常に多い。緩衝地帯として

北朝鮮を残しておき、あまりにも北の体制が悪化してきたら金正日体制を崩す、こういった

考察も見受けられる。ただこの状況が現実化するのは米中がある一点で水面下で握手したと

きだけ、それは台湾問題とリンクしていくと慶次は考えている。


6 「あとがき」

さて形骸化した「六カ国協議」ショーについて書いてきたが、最後に日本について少し書い

ておこう。米国のこの核を保有した(とされる)金正日体制をある程度認めてしまう現態度

は、日本にとっては好ましくない。核ミサイルは周辺国にとって目の前の脅威である、一番

の当該国は非核の日本と韓国であることを忘れてはいけない。次に、金正日体制を渋々でも

認めてしまう周辺国家群の態度は日本にとっては致命的である、なぜならこの体制が続く限

り「拉致問題」は進展しないからだ。現状の体制で国交正常化を行えばとか援助すればとか

言っている評論家や政治家はセンスゼロだ、援助だけいただいてニヤニヤしている北朝鮮軍

部の顔が見えないのだろうか。では日本はどうすればよいのか? 残念だが経済制裁を強め

周辺国と手打ちをしながら北朝鮮包囲網を狭めていく、そして安保理決議を忠実に履行して

いくように説得していくくらいしか方法はない。外交手腕が期待される日本政府ということ

だ。慶次の論説はここまで。


    



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最終更新日  2007年01月10日 10時13分56秒
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