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カテゴリ:歴史・戦史
日本国の近代民主主義のはじまりは、この「五箇条の御誓文」からはじまった。 満州事変からはじまった長き長き戦争はわが国がポツダム宣言を受け入れ、敗戦 という形で終結に向かった。 敗戦後の昭和21年の元旦、今は亡き昭和天皇は年 頭詔書をお読みになった。 俗に言う、「人間宣言」である。 教科書では、天皇が人間宣言を発したことで、アメリカが民主主義をもってきて くれたという書き方をしている、また、メディアでも変なお笑いコンビ芸人の片一 方のノッポのほうが、アメリカが文化と民主主義を教えてくれたと堂々とほざいて いた。 昭和21年の年頭詔書は、戦禍の災いに耐えて、ともに国の復興とその先の人類 愛を目指すべきと国民を励ますことにはじまっている。後半部分を抜粋して、ここ に載せる。
昭和天皇は、冒頭に明治大帝が掲げた、「五箇条の御誓文」を例に出し、 その後、天皇と国民は終始相互の信頼と敬愛によって結ばれているのであっ て、決して神と神の子というつながりではないとのべられた。 わが国は敗戦により、今一度、日本がはじめて掲げた民主主義を振り返る 機会を得た、これは不幸中の幸いである。長き戦争が続いた昭和のある時期 が、全体主義であったことは間違いない。広く会議を興し、万機公論に決す る機会が奪われたことも確かだ。上下が定まり、目上の者が下のものを一方 的に圧する封建制が跋扈したことも隠しようが無い事実。 臣民よりも官武が呆けて、利権の小競り合いという小心にとらわれ、旧来 の慣習を盾にして、天地の公道を鑑みず、歯向かうものは悪法で縛るという 暴挙、世界に知識を求めず、大日本帝国こそが地球の創造主といわんばかり の、知的好奇心の欠如。 昭和天皇は、もう一度、原点に返りましょうとおっしゃったのだ、わが国 に旧来から育っていた民主主義の基本に返りましょうと。 教科書にはこれだけの詔書の内容を、「人間宣言」という4文字で片付け ている。 非常に残念だ。 ここで詔書の中で慶次が一番好きな部分を載せて終わりたい。
我が日本国民は、家族愛と国家への愛(愛国心)が深いので、日本国の復興はもと より人類への貢献も必ずできるものと信じているという内容であろう。 今現在の日本は「愛国心」を論じることにさえ、眉をひそめる輩が言論界を中心に 跋扈している。 愛国心が戦争に向かわせるのだろうか、愛国心無き人間は戦後復興 の時期にさっきまで爆弾を落としていた国に行き、バカンスでも楽しんでいるかもし れない。 そして、相も変わらず「日本はだからダメなんだよ~」とまるで他人の国 のことのように、自分には関係ないといわんばかりに批判を続けているだろう。 また、さっきまで鬼畜米英と叫んでいた上級軍人が、敗戦後手の平を返すように、部 下を見捨て、自分の保身だけを考える行動に出た一部軍人。 人間はわがままで弱い動物ではあるが、大きな権力を持つようになるにつれ、常に 自分を自分で戒めることを忘れてはいけないのではないだろうか。 公明正大なる議会を開き、上下の区別なく、あちらこちらで常に国家のことを討論 できる近代国家に、人を愛し、国を愛する心を補足し、敗戦後の年初に日本国民に語 りかけた年頭詔書。もうこれだけで立派な憲法前文になりうるものである。 P.S 以前から日本国憲法に「五箇条の御誓文」も載せて欲しいと思っているんですが・・・ 一 夢 庵 風 流 日 記 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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