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一 夢 庵 風 流 日 記

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ニューストピックス

2007年08月21日
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”いさぎよく風に散りにし花のこと御国のためとただ進むらむ”
北白川房子元妃殿下 (入館券に記載)



特攻平和会館


特攻銅像「とこしえに」とT-6Gがお出迎えしてくれる

この横には「母」をイメージした像が置かれ、「お母さん!」と叫び

死んでいった隊員たちの御霊を慰めている


母の胸にて


さらに砂利道のなか、歩をすすめると、「ごぉ~ん」という音色が聞こえて

くる、夏休み家族旅行中なのか、子供たちが楽しそうに鐘をついていた

「平和の鐘」、神妙に鐘をつく人もいれば、キャッキャッうれしそうに鐘を

つく子供もいる・・・鐘の意味はあとで知ればいい、楽しそうな家族の姿は

英霊にとってひとつの清涼剤となろう



鐘



さあ、いよいよ平和会館に入るとしよう

平和会館前


残念ながら、会館内の展示物はすべて撮影禁止のため写真は無い

中には、特攻の変遷と歴史、隊員たちの特攻前の様子を写した写真や

遺書、遺品がズラリと並んでいる、また当時のアサヒグラフの勇猛なる

記事や写真がうらめしそうに掲載されている



零


海から30年後に引き上げられた「零戦」が展示されていた、20ミリ機関砲2門

13ミリ機関銃2挺を装備している大戦末期の型だ、写真は外から撮ってみた



会館に入ると、すぐに目に飛び込むピアノがある、「フッペルのピアノ」


昭和5年、佐賀県鳥栖の婦人会の方々が子供たちに本物の音色を聞かせた

いと寄付金を募り、ドイツから最高級のピアノを取り寄せました。

そのピアノは鳥栖国民学校に贈与され、子供たちは本物の音色で音楽を

勉強することができました、このときの寄付金は4500円、現在の1億円です。

それから15年ほど月日が流れた昭和20年、ある二人の音楽学校出身の青年が

鳥栖国民学校に走ってやってきました、彼らは明日出撃が決まっている特攻

隊員でした。「思い切りピアノを弾いて死にたい」とベートーベンの「月光」

と「海ゆかば」を弾きました。居合わせたこどもたちや先生は泣きじゃくり、

「海ゆかば」を一緒に歌い敬礼して見送ったのでした・・・。

時は過ぎ、フッペルのピアノは学校の隅に置かれ、廃棄処分になることが

決まります、昭和20年当時ピアノ担当だった上野歌子先生は廃棄処分にな

るなら手元に置いておきたいと鳥栖小学校(旧鳥栖国民学校)の児童の前で

あのときのことを話します、あまりにも痛烈な思い出のため、胸にしまいこ

んでいた特攻隊員たちとのひととき。この話がラジオでも取り上げられ大き

な反響を呼びました。上野歌子先生は講演先の宮崎で平成4年に亡くなられま

した。


月光を弾きて往きたる特攻の 思い語るか古きピアノよ(上野歌子 詠)



慶次はフッペルのピアノの話は知っていたが、フッペルのピアノを初めて見た

とき、嗚咽をとめることができなくて、恥ずかしくてトイレで泣いた、いま書

きながらも涙が出てくる、平和な時代なら思う存分音楽の勉強を出来ただろう


会館を出て、三角兵舎に向かう、ここは特攻出撃前の2~3日を仲間と過ごす

兵舎だ、これは復刻施設ではない、当時の跡地に現存する三角兵舎である


三角兵舎1


ここで飯を食べ、談笑し、酒を酌み交わし、そして飛び立っていった

三角兵舎



三角兵舎の奥を覗くと、たくさんの石灯篭が置いてある


灯篭



慰霊


これは特攻平和観音堂、中には特攻平和観音像が置かれている、大和法隆寺

の夢ちがい観音を模造したものだ、悪い夢と良い夢を取り替えてくれ、平和

と幸をもたらしてくれる仏像、慶次もそっと手をあわせ拝んできた



さて、知覧の旅も次が最終回、もう少しだけお付き合いくだされ


*写真はすべて8月15日撮影*


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最終更新日  2007年08月22日 04時38分29秒
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