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一 夢 庵 風 流 日 記

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2008年03月08日
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カテゴリ:その他
「はい、それじゃあ終わりましょう、宿題忘れないでね」
「先生、さようなら」

「啓太! 先に行ってるからな」
「文ちゃん、待ってよ」

啓太と文也は三年三組の同級生、学校の宿題で出された押し花をつくる
ために、近所の原っぱで花・葉を探そうと約束したのだった。

「お母さんお母さん、今から文ちゃんたちと葉っぱ探してくる」
「葉っぱ? 葉っぱなんてどうするの?」
「うん、宿題、それより文ちゃんが来ちゃうよ、おやつ出して」

「お~い、啓太、行こうぜ」

外で啓太を大声で呼ぶ声がした、文也である。

啓太は食べかけのバームクーヘンを口の中に突っ込んで、
あわてて玄関に向かった。

「お母さん、行ってきます」
「暗くなる前に帰ってくるのよ、車には気をつけてね」

靴のかかとを踏んだまま、玄関を飛び出した啓太は、右手をぐるぐる
回して前を走る文也を追いかけ、原っぱに向かった。

昨日の雨が道のところどころに水たまりをつくって、初夏の日差しが
それに反射し、ふたりを交互に照らしていた。



第一話完



全三~五話へ完結予定


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最終更新日  2008年03月15日 09時20分55秒
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