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一 夢 庵 風 流 日 記

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ニューストピックス

2008年07月22日
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テーマ:ニュース(100194)
カテゴリ:国内政治
少し前の話題であるが、これからのわが国の社会で問題となる

高齢化と介護、そして人間の生きる意味を含む話題ゆえ、

知っている人も知らなかった人も、少しの間、おつきあい願いたい


06年にとある母と息子が無理心中を図った、息子は一命をとりとめた


無職片桐康晴は、95年に父親を亡くし、その頃から母親に認知症の

症状が出始め、仕事と併用して、ひとりで介護をするようになった

05年、母は徘徊の症状まですすみ、警察に度々、補導されるようになった

康晴は仕事を休職し、デイケアを利用したが介護負担は軽減せず、会社を

退職する

同時に、生活保護を申請したが失業給付金期間であったため、認められず

介護と両立できる仕事を探すも難航し、失業給付金もストップ

カードローンも限度額に達し、ここに心中を決意する


心中当日の06年2月1日、車椅子の母を連れて京都市内を観光した

そして伏見区桂川河川敷の遊歩道で母にこう告げた

康晴「もう生きられへん ここで終わりやで」

母親「そうか、あかんか 康晴、一緒やで」

康晴「すまんな」

母親「康晴はわしの子や わしがやったる」

母は、康晴のおでこに額をくっつけ、そう言った


そして、片桐康晴は母親の首を絞めて殺害、その後自分の首を包丁で

切り自殺を図るが、発見が早く、一命をとりとめた

京都市内観光は、母への最後の親孝行のつもりであった


この裁判の意見陳述中、傍聴席からはすすり泣く声が多く聞かれ、

東尾裁判官も目を真っ赤にし、刑務官までもが涙を流していた


康晴が最後に述べた、「今度生まれ変わるときも母の子に生まれたい」

という言葉は、それまでの献身的な介護の過程を考えれば、決して

嘘ではないであろう


判決は、懲役2年6月、執行猶予3年(求刑・懲役3年)


06年公判当時の記事として、産経新聞を載せておきます







 介護疲れと生活の困窮から今年2月、合意の上で認知症の母親=当時(86)=を殺害したとして、承諾殺人などの罪に問われた長男の無職、片桐康晴被告(54)=京都市伏見区=に対する判決公判が21日、京都地裁で開かれた。東尾龍一裁判官は「結果は重大だが、被害者(母親)は決して恨みを抱いておらず、被告が幸せな人生を歩んでいけることを望んでいると推察される」として懲役2年6月、執行猶予3年(求刑・懲役3年)を言い渡した。

 判決理由で東尾裁判官は「相手方の承諾があろうとも、尊い命を奪う行為は強い非難を免れない」としながらも、「昼夜被害者を介護していた被告人の苦しみ、悩み、絶望感は言葉では言い尽くせない」と、追いつめられた片桐被告の心理状態に理解を示した。

 また、判決文を読み終えたあと、片桐被告に「朝と夕、母を思いだし、自分をあやめず、母のためにも幸せに生きてください」と語りかけた。同被告は声を震わせながら「ありがとうございます」と頭を下げた。
     ◇
【視点】介護支える社会整備を
 認知症の母親を殺害した片桐康晴被告に、京都地裁は執行猶予付きの“温情判決”を下した。裁判をめぐっては、検察側も「哀切きわまる母への思い。同情の余地がある」と、最高刑懲役7年に対して求刑は懲役3年と、被告の情状面に理解を示していた。

 公判では、冒頭陳述や被告人質問で母子の強いきずなが浮かび上がり、聞き入る東尾龍一裁判官が目を赤くする場面すらあった。

 「生まれ変わっても、また母の子に生まれたい」と母親への強い愛情を吐露した片桐被告。公判では、介護のために仕事をやめざるを得なかった現実や、生活保護受給を相談した際に行政側の十分な説明がなく生じた誤解など、誰もがいつ陥ってもおかしくない介護をめぐる現実が浮き彫りになった。「人に迷惑をかけずに生きようと思った」という片桐被告の信条さえも“裏目”に出た。

 介護をめぐり経済的、精神的に追いつめられ殺人や心中に至る事件は後を絶たない。160万~170万人ともいわれる認知症患者は、約10年後には250万人にまで増加するとの推計もある。反対に少子化のため介護者の減少は必至で、介護をめぐる問題は極めて現代的な課題といえる。

 “母親思いの息子”が殺害を選んだ悲劇を繰り返さないために、法整備を含め、社会全体で介護を支える仕組みづくりが求められる。(京都総局 藤谷茂樹)
     ◇
【用語解説】承諾殺人
 加害者が被害者の承諾や同意を受けて殺人に至った場合に適用。殺人罪の量刑が死刑から3年以上までの懲役であるのに対し、承諾殺人罪は6月以上7年以下の懲役または禁固刑となっている。心中を図り、心中実行者が生き残ったケースに適用されることが多い。

06年7月21日 産経新聞




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最終更新日  2008年07月22日 13時50分40秒
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