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『印度式』生活

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2006.07.07
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カテゴリ:槇原敬之さん
そういえば、槇原さんの「僕が一番欲しかったもの」が主題歌になっていたドラマ「ラストプレゼント」も七夕スタートだったなぁと思いながら、「僕らの音楽3」を観ていた。

クレジットを見て、「ANSWER」が15年前のうただということに、改めて驚いたりして。

今恋愛をしている友達が、最近槇原さんのうたを聴きはじめて、「ANSWER」いいよね!と言ってくれたことなんかもしみじみ思い出す。
人の心をうたう詩は色褪せないんだなぁ。

このうたが生まれた頃、私は17号の制服を着た帰宅部所属の高校生で、人間関係に躓いて、勉強にも身が入らず、TVの中で見かける「青春」とは程遠い日々を過ごしていた。
若くして病気でこの世を去ったひとの手記を読んでは、「生きなければ」と思い、自ら命を絶ったひとの作品を読んでは、「それもいっそ美しい」と思い、毎日絶望と希望の淵を行きつ戻りつしていた。
若さと、健康と、人生の先行きの長さが、正直疎ましかった。

塞いだ気持ちで何も期待せずに横目で見ていた大晦日のTVから流れてきた「どんなときも。」。
吸い込まれるように画面を見つめて、呆然として。
正月休みが明けるのを待ちかねて、近所のCDショップに駆け込んで、アルバムを手に取った。
変な話だが、生きてこの世にいるひとに、久々に心動かされていた。

重ねるてのひらのぬくもりとか、短い二人の時間とか、見送る切なさにどきどきさせられながら、愛は窮屈なものなのかな、と、自分の知らない世界に想いを馳せていたあの頃の自分。

それから10年余り。扉をひとつずつ開いて、窮屈を手放した一昨年の7月、ある女の子に
「お姉ちゃん、大きなったら何になりたい?」
と訊かれた。彼女の手には七夕の短冊。
「いや~、お姉ちゃんもう大分大きなってるからなぁ…」
病を得て、仕事を諦めて、恋人と離れた29歳の私は苦笑。彼女は
「ほんで、何になんの?」
「…そやなぁ、パン屋さんかな、パン屋さんなりたいかな…」

その後本当にパン屋さんの面接を受けて、しばらく働いていた。
結局それもうまくはいかなくて、未だに自分が何になるのかはよく分からない。

15歳の「ANSWER」が私に教えてくれるのは、思い出を重ね、道を探して歩き続けることの尊さかもしれない。
織姫と彦星ではないけれど、雨が降れば逢えない年もあるし、今隣に愛するひとがいなくても、いつか出逢うべき誰かと長い遠距離恋愛をしているつもりで季節を過ごすのも悪くない。

このうたが「ANSWER」と名付けられたわけを考えながら、とりとめなくそんなことを思っていた。

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↑恋する友人が聴いているのは多分これだろうなぁ。





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Last updated  2006.07.09 00:18:20
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