それはそれはすばらしい細針刺繍のショールでした

黒いカシミヤ生地が刺繍で埋め尽くされ、手刺繍の
こんもりしたふくらみが手のぬくもりと刺繍職人の
思いを伝える見事なショールでした




冬の夕暮れ、物静かなご夫妻がご来店されました。
奥様は着物をお召しになっていました。
たまたま通りかかってインドリームの看板を見て
５階まであがってきてくださいました。

刺繍のショールがお気に召されて３枚くらいお似合いの
ショールが見つかりました。着物を着慣れて入らして
ショールを羽織る仕草が素敵でした。


その夜新潟にお帰りになるということでお急ぎで
いったんお帰りになったのですが、
３０分後また戻ってくださって、一番素敵なショールを
お買い求めくださいました。

最後に言われた言葉がもっとも印象的で、心に残りました。
うれしいお言葉でした

「私たちは田舎に住んでいて本当はこのショールを羽織って
行くような場所は無いのだけれど、この手仕事が素晴らしくて
買うことにしました。」

手刺繍の大変な作業を知っている方の手に渡り、愛されることに
なったショールも私も大変幸せな一夜でした。

良いストールが売れていくのはうれしいのですが、
ちょっとだけ寂しい芳珠です。


インドリームワールド店長　芳珠