江戸時代のお風呂-蒸し風呂と唐破風に付けられた猪の目懸魚
4月11日(水)から14日(土)、敦賀。福井市を旅して、ある意味で一番びっくりしたのがこの養浩館(旧御泉水屋敷)の蒸し風呂だった。
養浩館の蒸し風呂設備
蒸し風呂の設備 ご家来が見守ってくれていたとしても怖い感じです。
普通の湯殿もあり、蒸し風呂施設もあるのか、単にお風呂と言えば蒸し風呂を指すのか不明ですが、多分蒸し風呂だったのだろう。
多分、お殿様お一人の為の設備だったので、このくらいの面積で良かった?
何時ものことながら驚かされる火事防ぎのおまじない
その唐破風に取り付けられていた「鰭付き猪の目懸魚」
真ん中の逆三角形のごとき部分の二つのハ-ト型が猪の目とされている。
1. 火事除け、火伏の御まじないとして「懸魚」が、家の屋根、切妻下の破風に
取り付けられた。
但し、江戸時代以前の、いわば国の決め事として庶民は許されていなかった。
2. この唐破風には、おおむねこの写真にも見られますように「鰭付き猪の目懸魚」
が取り付けられたらしい。
3. 日本で最も多い懸魚は「蕪(かぶら)懸魚」だと思いますが、そのかぶらの
実の部分に2個、ハ-ト型の目が明けられている。
このハ-ト型の目が猪の目に似ている。
そこでこの懸魚を猪の目懸魚と呼ぶらしい。
ともかく。この蒸し風呂設備が火事になりやすい事を懼れたのか、あるいは、このような蒸し風呂はどこでも唐破風の下に猪の目懸魚を付けることが、必須の条件であったのか。
この辺は全く不明ですが、きめの細かい作業ぶりに驚きました。
養浩館とは:
パンフレットによりますと
1. 元々福井藩主松平家の別邸だった。
2. 明治になって国有となり、様々な改築や復元の後、今日の立派な屋敷と庭園
になったらしい。
3. 猪の目懸魚はパンフレットにては、「お湯殿」として紹介されております場所で、
この方面に趣味をお持ちの方や、お時間のある方はご覧ください。
この三田市などだけではなくて、どの地域、どのお宅も火事は怖い。
そこで家の切妻の見える部分には家紋を張り付ける(三田市の民家の例)
その一方で中庭側の切妻には、破風下に「水のマ-ク」などを張り付けて、
火事除けとしている。
現代もです。