久しぶりに神社めぐりをしましたので狛犬さんと共に懸魚にもたくさん出合いました。
おもに江戸時代は民間の屋根に懸魚を吊り下げることが禁じられたためになじみが
薄いのですが、建物のその他の部分と同様に工夫が凝らされております。
厳島神社の懸魚
ここは、あまり屋根の妻面を眺める機会がありませんでしたので、写真は懸魚の数や種類も限られております。気が付いた時撮影できたものです。
懸魚-1 鰭付き蕪懸魚
鰭付きかぶら懸魚(ひれつきげぎょ)
蕪懸魚は、専門家の調査結果では全国の懸魚のざっと38%をしめているらしい。
蕪の両脇で波打って見えるのは、やはり波を表しているそうで、両方ともに水を
連想させて、火事封じの建具としては最も多いのもうなずけます。
懸魚-2 梅鉢懸魚(うめばちげぎょ)
梅鉢懸魚
梅鉢は五角形が決まりだと思いますが、この懸魚も一角が破風板の中にあって
一見六角形に見えると言われております。
専門家のお話では、この梅鉢懸魚に似た「きり懸魚」と呼ばれている懸魚があって
一見正六角形に見えます。
梅鉢懸魚は、全懸魚の中で約5%の割合だそうです。
岡山市:
吉備津神社の懸魚
懸魚-1 典型的な蕪懸魚
最も典型的な蕪懸魚と思われます。
懸魚-2
懸魚-3 比翼入母屋ご本殿の懸魚
懸魚は、鰭(ひれ)なしの蕪懸魚らしい。
ここでは、懸魚に上に菊のご紋章がありましたが、そのほかの妻面には菊の紋章
は見られませんでした。
吉備津彦神社の懸魚
懸魚-1
この神社では猪の目懸魚が
多く見られます。
イノシシの目とされているハ-ト型のくりぬきもはっきり見えます。
菊のご紋章らしいものも多かったが、吉備津神社備前・備中・備後の三備一宮
そしてこの吉備津彦神社が備前一宮なので、菊のご紋章が許されているのでしょうか。
懸魚-2 蕪懸魚
歴史が感じられます
懸魚-3 猪の目懸魚
もれている懸魚もあるとはおみますが、今回の参詣で見た懸魚の主なものの
写真です。
懸魚に関する専門的な情報について一部ご紹介させていただきます。
このブログへ遊びに来ていただいた方々のご自宅の周辺にもさまざまな神社仏閣があるはずですが、火事封じで懸魚が吊るされた建物が多いと思います。
ご覧になって、ここに掲載された懸魚以外の懸魚の形がありましたらコメントを歓迎します。
三田市の民家は、昔茅葺の頃から妻入りの独特な形式で価値があるそうですが
その妻面には、ほとんどすべて家紋が見られます。
その下へ懸魚の吊り下げは禁止されていたので、中庭に面した妻面には、何らかの火事封じが吊り下げられていると聞いております。
三田以外でも懸魚の変わりに、水の字とかの工夫がなされているとも聞いております。 火事は怖いですので・・・
懸魚に関する情報
1. 懸魚とは、神社仏閣の屋根に取り付けられた妻飾りの一つです。
「懸魚の形態と由来」
詳しいことはこのホ-ムペ-ジに記載されておりますのでクリックしてご覧下さい
2. そのURL:懸魚の形態と由来
http://www3.ocn.ne.jp/~toto/index.html
3. 懸魚の中にある「六葉 ロクヨウ」について
六葉は日本だけの飾りであり、工夫だそうです。
真ん中にある丸い棒が「樽の口」 たるのくち
その根元にあるのが、菊座。
六葉はほとんどが六角形だが、五角や4角もあるらしい。
4. 懸魚の種類について
蕪懸魚、猪の目懸魚、梅鉢懸魚、きり懸魚の他
みつばな
にじゅう(二重?)
ほり
かいがしら(貝頭?)
かりまた
たて
ゆいわた
以上合計11種の懸魚があるそうだ。
5. 懸魚の起源
中国・雲南省
魚の形そのままを妻面の下に吊り下げていたらしい。
紀元前にの遺跡から発掘されている。
※日本では、京都の教王護国寺(東寺)慶賀門に魚型の懸魚がある由