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口蹄疫による家畜の移動・搬出制限が3日に解除された宮崎県日向市。しかし24、25日に予定されていた第2回ひむかの国こども落語全国大会は、県の非常事態宣言(1日に一部解除)により既に中止が決まっている。関係者はがっかりしているが、昨年出演した関西や四国の子どもたちがチャリティー寄席を開いたり、もらった賞金を寄付したりするなど支援の輪を広げている。主催者は「来年は必ず開いて恩返ししたい」と感激している。 日向市は、子どもの落語グループが活動するなど落語が盛んな地域だ。この大会は昨年8月に地元の愛好家が中心となり初めて開催。今年の第2回は桂歌丸さん、三遊亭小遊三さんなどスターを招いて開く予定だった。 中止が決まったことを知り、口蹄疫に苦しむ宮崎を助けようと18日に大阪でチャリティー寄席を開くのは、奈良県大和高田市の小学6年田村凛夏(りんか)さん(11)。「りんりん亭りん吉」の高座名で活躍する子ども落語家で、関西などで約80回の高座に出演している。 第1回大会にはゲストとして呼ばれ、交流会で地元の畜産農家がごちそうした宮崎牛のハンバーグの味に感激した。「温かく迎えてくれた宮崎の人の力になりたい」と支援を思い立ったという。 寄席の会場選びやほかの出演者(小学生4人)への呼び掛けは両親も手伝った。田村さんは「仲間やお客さんと寄席を盛り上げ、宮崎支援の輪を広げたい。落語の中身も満足させたい」と張り切っている。 一方、第1回大会で優勝した小学5年猪熊謙升君(10)=香川県坂出市=は、昨年得た賞金(10万円)に2万円を足して口蹄疫被害者のために寄付した。大会実行委は「中止は残念だが、子どもたちの温かい気持ちに触れてうれしい」と話している。 =西日本新聞夕刊= お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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