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あなたが持っている
母の自筆の短歌は 母がこの世にたったひとつ残すものです。 <僕の方は何も持たないようにしているんです。> 母のものは何も持たないようにしているんです。 もうふたたびの別離の覚悟を決めたのですよ。 家をかたしているときに決めたのです。 非常に強い決心が要りました。 <僕の方は何も持たないようにしているんです。> だから、あなたが持っている 母の自筆の短歌は この世で母の唯一の形見となるものです。 僕は何も持たずに生きて行きます。 だから、ああいうところで 見せて欲しくなかったんです。 <僕は母のものはなにも持たないようにしているんです。> 以前、母は置手紙を残しましたから、 それから母の自筆の走り書きは 「長い不在」を表すものとなりました。 あの走り書きを、母があなたに託したのは また母が長い不在を予感したからです。 今日、ザルジバルに会いました。 僕を覚えていて、ずっと鳴いては転がって甘えてくれました。 久しぶりに、抱いてあげましたよ。 でも、ミネビンはやはりどこにもいないです。 探したけれどどこにもいない。 いなくなったら「仕方がないよ」 本当にそう思うのです。 大事にして下さいね。 母の形見を。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年10月14日 06時19分49秒
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