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鼻が黒いのは生まれつきなのさ、、、、、。
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「ミネビン、キャットフード食べたら、眠くなっちゃった、、、」

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僕たちはいろんな人から餌をもらって生きているんだ、、、。

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「あたしは静御前という名前らしいわ、、、、」
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「僕はザルジバルだよ。」

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「鼻が黒いってのも、チャーミングだろ?」

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チッチです。
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「こんなに愛くるしいのに、どうして私を捨てたのかしら?」

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「まぁ、とりあえず餌持ってんだろうな?」

アルゲリョです。










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(曲を聴きながら読んで下さいね、、、、。Natalia)



「揚花火」

あの夜、
僕は仕事に忙しくて
おまけに体も壊していた。

君を養っていく自信がなくて
つい別れ話を切り出した。

呼び出された素直な君は驚いていた。

最後の意思を告げた
しばらくの沈黙のあとで
不意に揚花火


一瞬、僕は慄いた。

浜辺はひととき光のしずくで満ちていた。

あんなに美しい瞳を見たことがない

君の涼しい瞳
涙にあふれていた。

散りばめられた光のしずくに溢れていた。

急に呼び出されたので
口紅も引かずに出てきたのだろう

「ひとりにしないで」

と一言だけ僕に懇願した。

花火の光芒がまなうらに残した
薄い唇の影

細い顎をひきつらせて
取り繕う笑顔でさえ胸を熱くする

<僕は君をただ道連れにはしたくなかっただけだ。>

手に入れようとして求めることは
諦めて
焦燥と苦しみに苛まされ

闇の中に離してしまったぬくもり

消えていく揚花火のように



そして、いま
三年経って
思い出す。

深夜になって

気ままな飼猫が戻って来るとき、

その肢体をカーティンにからませ
部屋に入ってくる音で
ふと起こされて、

静かにひとり身を横たえながら

月影たよりに

涙に濡れた
君の瞳を
思い出す


あの震えていた唇を
今になって
思い出す。


「ひとりにしないで」

と震えていた

その君の唇を、


月影たよりに

ひそかに思い出す







2008年10月03日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
あなたが持っている

母の自筆の短歌は

母がこの世にたったひとつ残すものです。


<僕の方は何も持たないようにしているんです。>


母のものは何も持たないようにしているんです。

もうふたたびの別離の覚悟を決めたのですよ。

家をかたしているときに決めたのです。

非常に強い決心が要りました。

<僕の方は何も持たないようにしているんです。>



だから、あなたが持っている

母の自筆の短歌は

この世で母の唯一の形見となるものです。

僕は何も持たずに生きて行きます。



だから、ああいうところで

見せて欲しくなかったんです。



<僕は母のものはなにも持たないようにしているんです。>

以前、母は置手紙を残しましたから、

それから母の自筆の走り書きは

「長い不在」を表すものとなりました。

あの走り書きを、母があなたに託したのは

また母が長い不在を予感したからです。



今日、ザルジバルに会いました。

僕を覚えていて、ずっと鳴いては転がって甘えてくれました。
久しぶりに、抱いてあげましたよ。

でも、ミネビンはやはりどこにもいないです。
探したけれどどこにもいない。

いなくなったら「仕方がないよ」

本当にそう思うのです。

大事にして下さいね。

母の形見を。



















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最終更新日  2008年10月14日 06時19分49秒


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