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カテゴリ:雑記
作者:舞城王太郎
どこで区切るのか迷うけどちゃんとローマ字表記してあった。「マイシロオウ タロウ」というのは嘘で「マイジョウ オウタロウ」サンです。太郎、じゃなくて王太郎サンだから男性かと思ったけど、文体とかインスパイアされた作品とか女性っぽい。作者も作中で述べているように、性別など大した問題ではないのだけど。けど。本当にそう思うなら偽る必要はないのではないかと思う。そして、作者や世間一般ではそうなのかもしれないけれど、私は女性作家が書いた小説って得てしてダメなのです(笑) 漫画では女性作者モノの方が好きなのに。あ、少女コミックやレディコミじゃないですよ。そう思った人、発想貧困ですよ(笑)安野モヨ子とか高橋留美子とか『ごくせん』(森本梢子)とかそういった、ギリギリの辺り。 話が逸れました。えっと、私がこの本を買ってみたのは、同作者の『好き好き大好き超愛してる。』がどこかで紹介されていて興味を持って、で本屋を徘徊していたら発見したのだけどハードカバーで高くて「えー、ココにそんなにお金かけたくない」とケチり、文庫版になっていたこっち。三島由紀夫賞受賞と帯に書いてあるこっちを、ペラペラめくってみたら最初の数文にノックト・アウト(受け身形です)。早くがっつり読みたくてチャリ、もとい、自転車を漕ぐ足も明らかに速かった。 で、感想。 1、ありがち 2、作者とは考え違うわ まず「ありがち」について。斬新っちゃー斬新な文体だけど、こういう話し言葉を直接使用するのって、一括りにしたくないけど斬新文体派の中では使い古されてます…。しかも文字のフォントを大きくするとか、字体を変えるとか、村上春樹が20年位前のデビュー作で既にやってっから。春樹氏は更に自作の絵も入れてっから、文章として(それはわたし的には不要だと思うのだけど)。とにかく「またか」って感じ。文体については。 章ごとにくるくる変えられるのは器用だと思うけど、評価には値しないでしょう。え?辛口?お前何様?…ね。 そして「作者と考え違うわ」について。これが大きかったなー。最初の文から期待したような私の知りたい見識にはごくごく浅くしか触れられておらずというか寧ろスルー気味で、うーん。勝手に期待した自分が悪いのだけど、期待外れ。 勿論、「そうかこういう見方もあるのか」って思う部分もありました。 でもネタバレ御免で書いてしまうとラスト。ラストは心温まって良いのだけど、実際温かい場所に戻れた主人公が羨ましくて少し泣いてしまったのだけど、そういう心の温まるオチかよ!っていう。前半の「前衛的だぜ」路線はどこ言ったんだ、っていう。なんか全体を通して何が言いたいのか、どうしたいのか一致しないのが、ファンの方々には申し訳ないが私個人としてはムカツキました。 「そんな心温まるゲンジツ、実際にはないだろう」とか思っちゃった。海外作品にインスパイアされたと言っている部分以外は現実味を追求しているかのように思えたのに。最後で「えええ」みたいな。全員救っちゃったよ、性善説だよ、みたいな。だったら最初から捻くれたフリなどしなければいいのに。みたいな、感想を持ちました。 そこら辺が『好き好き…』等最近ではどう変わっているか見ものですが、別に作者に興味を持てた訳ではないので敢えて追求しなくてもいいや、暇な時に思い出して立読みしよう、くらいのランクです。スミマセン(一応謝っておくのね・笑) 期待で自転車を飛ばして帰った割には、読み途中で寝るわ、数日間放っておくわ、で結局今日読み終えたのだけど、自分の中では寝食仕事を忘れたりしなかったのでまぁ、無意識的にそんな位置付けなのかなぁ、と。 もうちょっと、徹夜で完読する程グイグイ引っ張るか、数日かけてじっくり考えさせるか、にして欲しかったな。中途半端さが(もう略す。 そもそも、三島由紀夫すら読んだことがないのに、三島由紀夫賞って言葉に釣られた自分が悪いのだ、きっと。コレ書くと怒る人いそうだけど、私は三島由紀夫自身の生き方・死に方が好きではないので、いかに『金閣寺』が有名でも全く読むつもりはありません。反対に、太宰治の生き様は好きなので揃えて行きたい。天才芥川氏も。ああ素敵。 って、彼らに比べたら舞城さんというかこの作品は…ごめんなさい。でも、江國香織や山田詠美や吉本ばななや村上龍よりは好きかも。あ、でも村上龍の方が得るものは若干多いかも…。 以上、言わなくてもわかってますって、独断と偏見に満ち満ちた読書感想文でした☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年06月15日 22時15分15秒
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