夫の死後、健康不安が増したA.N.さん
A.N.さんは4年前にご主人を肺ガンで失った60歳のご婦人で、現在は1人暮らし。独立した息子さんが2人おられるが、2人とも他県で所帯を持っている。経済的には安定しており、仕事をしなくても暮らしてゆける状況だが、長年勤めている職場で有能な人材として勤務の継続を求められているため、60歳を過ぎても逗子から川崎まで電車での通勤の週に5回続けておられる。しかし、夫の死後自分の健康への不安感が強く、通勤電車の中で吐き気を感じたり、胸が苦しくなったり、また動悸が起こるといった症状を反復しておられる。良くお話を伺うと、それぞれの症状が現れる少し前に、職場での人間関係に変化があったり、兄弟の病気があったりと、心理的ストレスが増加した時に症状を経験している。今回はコレステロールが高いこともあり、2月に牛乳、チーズ、ヨーグルト、バターなどの乳製品を止めましょうとお勧めしたところ、 即座に実行されたのだが、その後まもなく、安静時胸痛の反復が認められた。ー心電図では異常なく、ホルター心電図も正常範囲。食事変更にともなう瞑眩反応とも考えられたが、生活状況をおたずねすると、1)最近実家の姉から健康不安を訴える電話が頻繁にあり、その話を聞いて、姉の事がとても心配になっているとのお話。2)また、数年前に類似した胸痛があった時に受診した心臓専門病院で「心電図には大きな異常はありませんが、狭心症は否定しきれませんからニトログリセリンの錠剤を持って歩いて下さい」と言われた事が心に残っていて、「胸の痛みがあると、すぐに狭心症や心筋梗塞がおこるのではないかと思って、心配でしょうがなくなります。」と。3)また、川崎の職場が忙しくて、臨時の出勤を求められる事も多く朝起きるのがつらい気持ちにもなりますと。以上から(心臓の痛みというストレスに)レスキュー、(狭心症、心筋梗塞への恐れに)ミムラス、(心臓の事が頭から離れない状態に)ホワイトチェストナット 、(姉への強い心配に関して)レッドチェストナット、(朝おきられない精神的疲労感に)ホーンビームでレメディーをお勧めした。1週間たって、今日の外来でのA.N.さんの第一声は、「レメディーはとてもよく効きました。レメディーを開始してから胸の痛みは完全に消えています。とても気持ちが軽くなったので、このレメディーをしばらく続けたいと思います。」という喜びの声だった。