玄米とお肉で育たなくなる子ども
1年程前に私が往診をしていたお宅の娘さんが教えてくれた話しを記録しておく。ガンを治す食事に玄米生菜食があるが、玄米が治療的に最大の効果を発揮するのは菜食との組み合わせである。この事情の背景を説明するようなお話しをその娘さんが教えてくれた。その娘さんが子育てを始めた頃、離乳食から玄米を使用していたという。その時点では何も問題がなかったのだが、その子が1歳を過ぎて2歳、3歳となるに従い、主食は玄米のままで、現代風に肉や魚のおかずを食べさせていたところ、子どもは大変元気なのだが体のサイズが大きくならないという現象が生じたという。その上、何だか肌の色が黒っぽくなり他の子と違う。心配していくつかの小児科も受診したのだが原因が分からない。このお母さんは子ども達が小学生になる前の段階で、よくよく考えた結果として(学校給食の白米も食べられた方が良いという事も含めて)玄米を止めて白米にし、まったく普通の御飯にした。その結果子ども達の身長は順調に伸び始め、皮膚の色も元に戻ったという。この子ども達だが、玄米を白米にしなくても、肉と魚を止めても順調な成長を遂げることが出来ただろうと推定出来る。この子ども達の身長が大きくならなかったのは、玄米の消化に用いられるエネルギーが大きい事に加え、火を通した肉や魚という、その消化と分解に多くのビタミンや酵素を必要とする食べ物を食べていて、成長のために用いることが出来るエネルギーと酵素の働きが足りなくなっていたためである。人間が食べ物を食べた後、体の中では、その食べ物が植物性であれ動物性であれ、その段階では人間化されていないその素材を、人間の性質へと変換するために、臓器は実に大きな作業をしている。その作業が過剰になれば成長が止まるほどの作業である。そして、このプロセスを知らずに普通に肉食を続けながら、その肉の力を消費する肉体活動が行われない生活が長引いた時に、人体は排泄経路としての腫瘍を形成する。このような状態の担癌者が玄米と生菜食にした場合、ガンの発生と成長に用いられていた老廃物、発ガン物質は、その排泄が促進され、ガンの成長に用いられていたエネルギーは、玄米と野菜の分解に用いられる事になり、ガンの成長が(子どもの成長が止まったように)止まる。この玄米生菜食の食事に加え、既に出来た癌腫を溶かすための加熱運動(歩行運動)、免疫力を高めるための笑顔ある暮らし、この3つの要素を実践してガンを克服しているのがNPO法人「いずみの会」の方々です。以上、記録として。