古代の霊智
縄文人の血筋を通じて現代の大和民族にまで受け継がれている習慣の一つに、主語としての「私は」を不用意には言葉にしないという現象があります。日本人が「私は」という主語を口にしないのは、「言霊の力」≒「宇宙の法則」を体感じているからです。「私は~をします。」と神の子としての一人称をつけて口にした言葉は宇宙全体に響き渡って影響をおよぼし、結果をもたらします。これは畏るべき事柄です。古代の日本人には、他国民と同様、ルドルフシュタイナーが言うところの太古の見霊能力が備わっていました。そして、他の民族と異なる特徴として、(ガラパゴス諸島に取り残された動物たちにも似て、日本人は日本列島という島に隔絶されてその血脈をつないできたたために)比較的近世に至るまでこの能力を保持して存続したのです。この歴史的、民俗学的実事が、『主語を語らない国民』を生み出した隠された要因です。日本語の話し言葉の特徴は、畏怖に由来しているのです。