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以下、産経新聞 10月11日(火)10時10分配信より引用抜粋~
「無臭」なのに「香り」エステー奇抜戦略 【開発ヒストリー】 香りに工夫を凝らした衣料用防虫剤が20~30代の女性を中心に人気を集めている。 火付け役がエステーの「かおりムシューダ」だ。 昨年8月の発売以降、約180万個を売るヒット商品となった。 「無臭」を名乗ったまま、「香り」をつける奇抜な戦略で、市場を切り開いた。 「若い世代に受け入れられるには、どうしたらいいんだ」 平成21年秋、防虫剤市場で5割のシェアを占めるエステーでは、 企画会議が毎週のように開かれていた。 この日のテーマは「若者の防虫剤離れ」。 同社の調査によると、20代の防虫剤使用率は6割で、 全世代平均(20~60代)の使用率が8割に迫る中、低迷していることが分かった。 若い世代は、ウールやシルクの衣類をあまり持っていない。 つまり、セーターが虫に食われて穴が空いたという経験が少なく、 「防虫効果をアピールしてもピンとこない」世代なのだ。 そのうえ、ウールを手軽に洗える洗剤や柔軟剤が一般的になり 「防虫効果だけでなく、新たな付加価値を加えなければ手にもとってもらえない」(同社)。 「ムシューダにアロマなどの香りをつけたらどうか」。 閉(へい)塞(そく)感が漂う中、 商品開発グループの清水智光さんら若手社員の一言が会議の雰囲気を一変させた。 日用品関連では香り付きの柔軟剤が発売され、香りブームに火がつこうとしていた。 ■存在意義なくなる? ところが、役員の一部から異論が噴出した。 無臭防虫剤のトップブランドでもある「ムシューダ」にあえて、「香り」を付ければ、 「ムシューダの存在意義を問われる」との意見だ。 しかし、「これで行く」(鈴木喬社長)との一言で商品化のGOサインが出たのだった。 鈴木社長の決断の裏側には、大きな危機感があった。 エステーの連結売上高のうち2割を占める防虫剤だが、市場は長期低迷に陥り、 既存の市場を打開する「挑戦的な商品」が待ち望まれていた。 平成12年に365億円あった国内市場だが、ジリジリ減少を続け、 調査会社の富士経済の調査によると、21年は243億円に落ち込んだ。 価格競争や増量合戦が繰り広げられ、メーカー自らが首を絞める悪循環に陥っていた。 「付加価値を高めて価格競争に終止符を打つ」(エステー)。 これが防虫剤のトップメーカーに課せられた課題でもあった。 開発で苦労したのはやはり「香り」だった。 半年間、香りが持続しながら、においがきつすぎず、 さわやかな香りに仕立てるのがテーマだった。 試行錯誤を繰り返した結果、消費者の85%が「香りがよい」と答えるなど、 支持を集め、商品化のめどがついた。 エステーは香り以外の“プラスα”にも心を砕いた。 若者向けなどのキャラクターデザインを手がけるデザイナー、佐野研二郎氏にデザインを依頼し、 親しみやすい女の子のキャラクター「かおりちゃん」を前面に出した。 これまでの防虫剤は機能性や増量をアピールするパッケージがほとんどだったが、 今回は「ほっとする癒やし系のイメージ」で、香りによるリラックス効果を意識したものだ。 ■相次ぎ追随 「着るたびに洗い立ての香り」というコピーをパッケージに印刷、 防虫効果や価格をアピールした従来の防虫剤とは大きく異なったイメージで消費者拡大を図った。 「かおりムシューダ」は発売から1年余りが経過したが、勢いは衰えていない。 それどころか防虫剤を手がけるメーカー各社は「香り付き」商品を相次ぎ投入、 低迷していた防虫剤市場で、新たな消費者層を開拓しつつある。 縮小傾向の防虫剤市場の中で、香り付き防虫剤の市場は 国内全体の約1割にあたる20億~25億円程度に育ったと予測され、 「芳香剤同様、香りを楽しむ生活の中で必需品になる」(日用品メーカー)との見方も出ている。 今後も「飽きられぬよう、わくわくするような商品として存在感を高めたい」(清水さん) と開発陣は意気込んでいる。(川上朝栄) 【かおりムシューダ】着るたびに洗い立ての香りを楽しむことができる防虫剤。 エステーが平成22年8月に発売した。 防虫成分は無臭タイプだが、香料成分に工夫を凝らし、 「やわらかフローラル」と「フレッシュソープ」という2種類の香りをラインアップした。 香りが収納空間に広がることで、アロマ感覚で楽しむこともできる。 香りへの関心が高い20~30代の若年層を中心に売れ行きが伸びるなど、 防虫剤市場に旋風を巻き起こした。価格は598~698円。 ~以上、産経新聞 10月11日(火)10時10分配信より引用抜粋 このような固定観念に捕われない発想は良いと思う。 商品の利点としていたものに優位性が失われた。 その時、既存製品には手を付けず、全くの新製品として販売することもできる。 しかし、新しい商品を広く認知させるには、 時間も費用も投資しなければならないし、企業イメージもある。。 既存製品が広く認知されているのならそれを活用する。 今回は無臭のイメージを持つ商品(企業)に香りをつけることは、 「ほのかな淡い香り」というイメージを生み、商品がそれを裏切らなかったことが ヒットの1つの要因なのかなと思えた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 11, 2011 05:38:30 PM
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