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『母』 ■三浦 綾子 著 ■角川文庫 ■平成8年6月初版発行 「あの多喜二が小説書いて殺されるなんて…」 明治初頭13歳で結婚、小樽で小さなパン屋を営み、病弱の夫を支え、6人の子を育てた小林多喜二の母セキ。 貧しくとも明るかった小林家に暗い影が忍び寄るのは、次男の小説『蟹工船』が大きな評判になってからだ。 おおらかな心で、多喜二の『理想』を見守り、人を信じ、愛し、懸命に生きたセキの、波乱に富んだ生涯を描く長編小説。 (▲紹介文より) イスラエルダンスを踊る会に来てくれているYさんにお借りして読んでみました。 最初、「う~ん、何となくおもしろそうでもないな~」(失礼)と思ったのですが、 読み進めていくうちにどんどん引き込まれていきました。 小林多喜二の母親セキさんが秋田弁で自分の人生を回顧するという形式をとっています。 たんたんとした語り口調の中に、人の優しさ、生きることの哀しさが伝わってきます。 日本がまだとても貧しく、一生懸命働くしかなかった時代に生きた「おセキさん」の姿から、 クジラも含め今の多くの日本人が忘れてしまったことをたくさん教えられました。 Yさん、良い本を貸してくださってありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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