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イタリアいなかまち暮らし

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2008.04.06
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カテゴリ:イタリアの食べ物
なんかやり損ねの話ばかりですが。
イースターに夫の実家に帰ったとき、義弟が栽培しているcime di rapeを沢山もらって帰った。チメ・ディ・ラーペ、菜の花である。義弟の野生のラーペは、味が濃くて歯ごたえもしっかりして(ちょっと筋っぽいけど)すっごくおいしい。まさにワイルドな味。

RAPE(ラーペ)というのは、いままで菜の花と思っていたが、調べてみると、同時に蕪でもあるらしい。

というのは普通は菜の花といわれる日本のアブラナという種類は、学名Brassica rapa var. nippo-oleifera。一方イタリアで花を食べるラーペはBrassica rapa L. subsp. sylvestris (L.) Janchen var. esculenta Hort.。もうひとつ蕪を指す「ラーパ」はBrassica rapa L. var. rapa。
素人なので学名の読み方がわからないんだけど、花を食べるラーパと蕪は農業的には違うものだけど、非常に近い紙一重ってこと??
もともとアブラナ科の植物同士はとても交配が起こりやすくて、白菜とかアブラナとかキャベツとかを近くに植えていると来年には変な交配植物になってしまうらしい。だから学名とか付けてる間にあちこちで交配植物がどんどん出来ちゃって、結局区別の意味がなくなってくるのかも。


余談だがウチの辺りでは蕪が売られてるのなんて見たことない。ローマで見つけてありがたく買って帰ったことはあるが。(おいしかったなあ)

義弟の育ててるラーペはまたややこしいんだけど「野生種」と言われるもので、学名もわかんないし。

それと、日本で花を食べる「菜の花」はアブラナのこともあるけどまた違う種類の(同じアブラナ科の)植物を使うこともあるらしい。だから、菜の花っぽかったらなんでもいいや、と思って私は菜の花とよんでます。
イタリア語ではcime di rapeが一般的だと思うんだけど、方言もあってローマではbroccoletti、カンポバッソではspigatelliと言う。

ちなみに、英語では、RAPE(レイプ)です(ホント)。

ラーペというと、よく合わせられるのが、プーリア州のパスタ、オレキェッタOrecchietta。小麦粉と水で出来ているもちもちした手打ちのショートパスタだ。耳みたいな形をしているのでこの名前らしい。
モリーゼには、省略版のような(?)カバテッリCavatelliというパスタのほうが人気だが、オレキェッタのほうがもっとおいしい。しかし作るのがとても大変だ。出来たものも売っているけど、手作りのほうがモチモチしている。うどんの生地とよく似ている。

そこで、うどんと同じ生地で作ってしまおうかと思いついた。

捏ね機があるのでうどんはたまに作る。うどんは普通は中力粉(イタリアだとGRANO TENERO)で作るのだが、コレではいまいち腰が弱い。そこで、カナダ産のFluortobaという小麦粉を使っている(過去の記事の「すき焼き」の後のほうでも少し述べたが)。これはとても弾力が強く、うどんも満足できる弾力にしあがる。イタリアの分類ではGRANO TENEROの00になっているが、日本の強力粉に当たるのではないだろうか。
とはいっても本場の讃岐うどんはそれ用に品種改良された、研究し尽くされた粉を使っているので、プロのコシにはかなわないが。

Fluortobaは粉屋に売っている。粉屋というのは私の勝手な省略訳で、イタリア語ではmulino、もともとは「水車or風車小屋」で、昔は水車の力で何をしてたかというと粉をひくのが主だったわけで、現在では意味が転じて「製粉所」という意味で使われる。この製粉所は小売もしている。
カンポバッソ近辺でこの製粉・販売所は二つあるが、二つとも看板も出ていなくて外から見たら何なのかまったくわからない。普通の小工場に見える。電話帳を引くしか探す方法はないと思う。
この二つの粉屋のうちひとつに、このカナダ産の粉が売っているのだ。他にも同じような質の粉で、Manitobaという種類が売られていることもあるらしい。
fluortoba
Fluortoba

これでオレキェッタを作れば、すっごい弾力の、イタリア人も考え付かないスーパーオレキェッタが出来るのではないかと思ったのだ。

結果は・・・
弾力がありすぎて、形を作ろうと思っても、はねかえされる(T_T)

オレキェッタの作り方;
用意するもの、中力粉の生地、テーブルナイフ、食卓をきれいに拭いてその上で作業する。

↓まず、指先くらいの大きさの生地をとる。あるいは生地を細長く伸ばして包丁でカット。
o1
↓その上にテーブルナイフの先を平たく置き、平たく潰しながら手前に引く。
o2
全部引き終わったら、ころん、とこういう形のものができる。両側が丸まったような、アワビ状のもの。これが、カバテッリCavatelliです。↓
o3
(え?やらしいって?)

次、さらにこのCavatelliを裏返したものがオレキェッタです。
やり方は、両手で持って、裏から親指を当てながら、丸まったふちを延ばしてしまわないように気をつけながらやさしく引っ張ります。↓(手タレ;相方)
o4
(え?やばい?)
端の丸まりはそのままに、親指にはめるようにして帽子のような形を作ったら出来上がり。素人なのであまりいい形に仕上がりませんが。↓
o5

o6
↑市販のオレキェッタです。正統な形である端っこの丸まりがよくわかります。引っ張ったときに割れて血管のような筋が出来るのも正当な特徴。
ただしこれは工場製なので機械で型を付けてるものです。プーリア探索に行くことがあれば、本物を見つけて撮ってきます。

Fluortobaで作った生地は、弾力が強すぎて、ナイフでひいた後も、丸まりませんでした。だから写真の生地は普通の小麦粉で急遽撮影用に(笑)一粒分作ったもの。

というわけで、結局うどんをパスタ代わりにしました。
作り方はラーペを茹でて、オリーブ油を熱して、にんにくをひとかけと唐辛子をお好み分オリーブ油の中で揚げ、最後にすべてをあわせる。オリーブ油はものすごいほど使います。もう、アホかというくらい。生パスタ350gくらいでコップ1杯くらいは入れるんじゃないでしょうか。
ラーペうどん
ゆでたあと洗わなかったのが悪いのか?ちょっとべちゃっとして見た目が悪いけど、おいしかった。
しかしシーズンが終わったものの話ばかりですんません。

-------------------
追記
プーリアと縁の深い方がオレケッタの写真を公開されているので、勝手ながらリンクさせてもらいます。
本物のプーリア・マンマが作るオレケッタ、筋(?)が見事に浮き出ていてすばらしいです。夫もここまではできません。
http://blogs.yahoo.co.jp/siili_giuli/19198957.html





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Last updated  2008.04.23 23:17:18
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