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カテゴリ:その他各国の料理
いつも行くスーパー「GS」で、「アーモンドのミルクの飲み物」という物を見つけた。
ちょっと期待を込めて買ったのだが、飲んでみてやはり「あ、使える!」と思った。そう、杏仁豆腐。杏仁豆腐は本格的なものは杏(アプリコット)の種の核をすりつぶして出てきた液体を固めて作るらしいが、アーモンドでも同じような香りが出るので代用される。 ちなみに杏の核はイタリアでもやはり利用されていて、アーモンドのリカーに風味を強くするために混ぜられる。これはAmarettoと言い、同名のクッキーにも入れられる。杏仁豆腐の匂いをぎゅーっと凝縮したような強烈な風味。苦味もあるのでこういう名前が付いたようだが。 とにかく数年前に杏仁豆腐が食べたくなってインターネットで調べたところ、市販の中華食材の杏仁パウダーを使うか、そうでなければ自分で杏の核なりアーモンドなりをすりつぶして液体を作るという大変な作業をこなさなければならない。市販の杏仁豆腐の素で満足する私は、「まあそのうち日本で杏仁豆腐の素買ってくりゃいいや」と思いつつそのままになっていた。 で、ふとこの「アーモンドミルクの飲み物」を見つけたとき、使えるかもと思って買ったのだ。 あくまで「アーモンドミルクの飲み物」であるだけあって、かなり調整されている。砂糖、乳糖、保存料などなどいろんなものが入っている。ちなみにイタリアで豆乳を探そうとしても見つからなくて、同じく豆乳調整飲料しか売っていない。 しかしこのアーモンドミルクのばあい豆腐を作ろうとしているのではないので、むしろ最初から砂糖が入ってて手間が省けて助かるのだが。 味見して確信を持った私は早速暖めてゼラチンを溶かして冷蔵庫に半日おいてみた。 さて試してみると、確かに杏仁豆腐の味がする。大成功!!と言いたいところだったが、底のほうに食べ進むにつれてざらざら感が増してくる。つまり含まれるアーモンドの細かいカスが、時間がたつにつれて沈殿してそのまま固まった、ということらしい。上のほうはつるつるでまさに杏仁豆腐だけど、下のほうは舌触りがちょっとざらっとして羊羹っぽい。とは言ってもカスっぽい感じはしない。 果物と一緒にシロップに入れて食べてみたが、こうするともう食感も気にならなくなる。 大好きな杏仁豆腐を満喫した私と夫は、これが商品になるかもと思った。これを以前の日記で紹介したイチゴのシロップ漬けとあわせて、早速新しいデザートとして選択肢にした。(うちはたいていデザートは2種類だけ。もう一方はイチゴのシュークリーム。同じくイチゴなところが手抜きなんだけど。) 新商品 ちなみにウチのシュークリーム(なんか汚いっぽい(^_^;)) もちろん中国由来のデザートということは言わない(笑)。こっちの中華には置いてないし。 フランスには似たようなもので「ブランマンジェ」というデザートがある。それはアーモンドミルクを使うのじゃなくアーモンドエキスを牛乳に足すのだからちょっと違うけど。 イタリアにもあるかもと思って、イタリア語のデザートレシピ百科みたいな本を見ると一応あった(biancomangia)。しかしぜんぜん一般的には食べられていない。実際に見たことも聞いたこともないから。 これは言葉で説明すると「アーモンドミルクのゼリー(gelatina di latte di mandorla)」なんだけど、ちょっと長すぎる。そもそもこっちの人、ゼリーというものを食べない。カップに入ったゼリーとか売られてるのを見たことがない。なので多分この言葉だけでは想像もつかないと思う。加えて私がアーモンドmandorlaの発音は苦手(Rのすぐ後にLが来てて舌の位置をそんなに早く動かせない)ですらすらと言えないのでよけいにわからない。 まあよくわかんないけど頼んでみるかという感じでオーダーしてくれる。つまり勇気のある人か、何回も来てこの店を信頼してくれている人たちである。 実際出してみると・・・。一人だけゼリーを残してイチゴだけ食べた人がいてへこんだが、その一例以外は皆様きれいに平らげている。 見かけがよく似ているパンナコッタは人気がある食べ物なので、見た目にそう抵抗はないはず。 また夏に向けてこういう冷たくてさっぱりしたデザートはいい。 しかし今年はなかなか暑くならない。もうそろそろ暑くなってもいいのにまだ上着が取れない。しかも春なのに珍しく雨続き。どうしたのかなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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