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涙晶堂日誌・別冊

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Apr 5, 2005
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たとえば、TVで戦隊物なんかを見ていたとして。
たいていの子供は、ヒーローが出てきたときに歓声をあげるものだけど、
あたしはヒーローなんかには目もくれず、
敵の怪人や幹部ばっかりにお熱だった。


たとえば肝試し。
みんな夜の学校で、理科準備室の骨格標本のところに
なんて行きたくないよっていうけれど。
あたしはわざわざ、暗くなるまで学校に残って、
骨格標本にさよならいってから、帰ってた。


たとえばゲームなんかやってても。
骸骨の騎士なんてでてきたりしたら、
すこしのあいだ、操作忘れてぼうっと見入ってた。




「……もしかしたらあたし、かなり変な子供だった?」

カタカタ、カタ。

「安心しろ。『かなり』、じゃなくて『とてつもなく』変だから」
「……なによぉ」


そして、今。
あたしの目の前には憮然とした様子の骨格標本……
もとい、スケルトン。

「大多数の人間は、真夜中に廃墟でガイコツなんか見た日にゃ、ぎょっとする。
いくらこの町のヤツだってな。ましてや」

ふいに、元から低いスケルトンの声がさらに脅すように低くなり、
むき出しになっている歯のあいだから、
魔物めいた(魔物だけど)囁きがもれでた。

『ドウシタ…オ嬢サン…?』

骨だけの手があたしの顔をぞろりと撫で上げていく。
こおりのような、ひどく冷たい指……
思わず陶然としかけるあたしを見て、
スケルトンの頭蓋骨が小さくカタ、と
おかしそうに笑って音をたてる。

次の瞬間。
突然、顎がガクリとありえないほどに下にさがってカカカカカカカ、と。
骨と骨がきしみあうような笑い声が、深い夜の廃墟に響いた。

ひとしきり笑うとぴたり、笑い声をたてるのをやめる。
顎を元の位置に戻し、スケルトンが真顔であたしの方にむきなおる。
昏い眼窩が、あたしを見つめる。

「……これで気味悪がるどころか、うっとりしたヤツは…お前だけだぞ、サラ」
「いやあそれほどでもぉ……」
「ほめてねえ」
「……むうぅ」
ぷうっとほっぺたをふくらます、あたし。










「変でもいいよ…」
「うん?」









おまんじゅうみたいな顔になったまま、スケルトンの右腕をつかむ。








「……大好き」
「……やっぱ、お前変だ」




カタリ。
もう一度、かすれたような骨の音が、深い夜にしみこんでいった――――










*蛇足なつぶやき*

……あああああ。なんかわけわかんないのかいたよ……
好きだけどね、あたしも。ガイコツさん……
ってか書きかけのやつほっぽってなにしてんだかーー
でも書かずにはおれんかったのにょ…ちょっと消化不良気味だけども…





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Last updated  Apr 6, 2005 06:08:47 PM
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