「おはよう、皆もう揃ったかなぁ~~
じゃぁ、 今日のお話始めるよ。
『おこだてませんように』くすのきしげのり作 石井聖岳え・・・」
今朝は小学校で朝読書、読み聞かせの当番でした。今年度初めてです。
下のAのクラスなので、子どもたちは去年のメンバーと同じ。
私の読み聞かせにも慣れてくれています。でも先生は初めてです。
学校にいても家にいても先生やお母さんに怒られてばっかりの男の子。
怒られてばっかりの悪い子のようなぼくだけれど、ぼくにだってそれなりの理由があるんだ。
でもそんなこと言ったって、もっと怒られるばっかりだから、いつもプイッと横を向いてずっと黙ってる。
もうすぐ七夕。
先生が笹の葉につける短冊をつくろうって!だからぼくは一生懸命にお願いを考えた。一番お願いしたいことは何か、てずっと考えていたら、
『早くしなさい!』とまた怒られた。
それでも頑張って習ったところのひらがなで、一つ一つとても丁寧に書いたんや。
『おこだてませんように』
それを先生のところにもって行った。どうせまた「おそ過ぎ!」と怒られるに決まっているだろうけど・・・。
ところが受け取った先生は怒らないで、涙を流していわはった。
『あぁ、いいお願いできたね。ごめんなぁ つい怒ってばっかりやったなぁ
これからはなるべく怒らないようにするわなぁ」
夜、妹と遊んでいたら学校の先生からおかあちゃんに電話があって長いこと話してはった。
その後おかあちゃんはぼくを妹にするようにぎゅっと抱き締めて、
『おかあちゃんも、怒りすぎていたなぁ ごめんな
二人ともお母ちゃんの大事な宝物やで~~」
てぼくをひざに乗せてくれた。
妹がかわいそうやったから、ぼくは妹をひざの上に乗せてあげた。
あぁ うれしい。 ぼくの願いほんとうに叶った。こんなにうれしいことないわ!
ちょっとはいい子になれるかなぁ~~
およそこんなお話なんです。
去年、朝の読み聞かせのときには、担任の先生は教室にはいらっしゃらなかったんです。私はすっかりそのつもりになって七夕のときにしか読めないこの本を友人から借りて、読ましてもらいました。
子どもたちは、針の落ちる音も聞こえるぐらいし~~~んとして聴いてくれて、そして最後にあぁよかった!てほっとしてくれたんです。
それは本当に読み手としては手ごたえのある聞き手に恵まれてうれしい限りなのですが、先生もじっくりと聞いておられたんですね。
先生、この私がこの本を選んだこと、どう思われるかなぁ~~ とちょっと心配。
前にも書いていたけれど、担任の先生は4月~まったくはじめて教師という仕事に就かれたばかりです。やさしい可愛い先生なんだけれど、ちょっと子どもたちは先生のことを甘く見ている、と思っているお母さん方が多い。
だって、最後のご挨拶のときに寝転んでいる子もいたもの。
勿論私は読み聞かせの時間に寝転んでいようと、聞かないでいようと、そんなことなんとも気にしないけれど、たしかに去年はそんな子一人もいなかった。
懇談会では 子どもたちがだれないように、「どんどん怒ってください」というお母さんが大半だった。だから先生は今、かなりきつく注意したり怒ったりして、何とか子どもたちが先生の言うことをちゃんと聞けるように!!とえらく努力されている最中なんです。
そこにこの『おこだてませんように』を読んじゃった私。
先生、今自分がなさっていることをどんな風に捉えはるかなぁ~~