さっちゃんと９人家族

兄「今回の演奏会、一緒にやった弦楽合奏団「The Strings」2年前に第1回の演奏会をした時に比べたら、何段階も上手になってはった。
すごいね～～。

今音大卒業してもなかなか演奏では食べていけない。だからほかにも仕事をしながら弾いている人がとても多い。

でも却ってそれの方が良いこともある。
他に仕事を持っていたら、いつも音楽によって自分が癒されたり気分転換できたり、自分だけの大切な時間を持てた、と思える。
音楽を通して出会える人とも、みんな音楽を分かち合える大切な友人と思える。
音楽そのものを心から楽しむことができる。

ところが演奏をするプロになったら、弾くことは仕事であり課題であり、次々とやってくるコンサートをこなすことだけで精いっぱいになっていく。
一緒にやる仲間は、仲間だけれどライバルでもある。
互いに互いをいつもチェックしている、そんな緊張感が漂っていることが多い。
これで本気で音楽を味わうことができるか？
もちろん難しい。
それにそんなに一つのことに入れ込んでいたら、とても身も心も持たないほど演奏会が多い。

タングルウッド音楽祭で、バーンスタインが来て指揮して下さったとき、
「一緒に演奏して一番楽しいのはしっかりした技術を持つアマチュアの方々です。」
といわはった。

アマチュアの人の方がずっと純粋に音楽を愛し、喜びを持って音楽の中に入ることができるから・・・！！」

　なるほどね、それはそうかもしれない。
　プロの人ならつい自分の音楽ばかりを追いかけてしまうかもしれないし、それぞれのしっかりした考えや美意識、発想、感覚、そういうものをすっと一致させることはものすごく難しいことでしょう。

みんな自分の音楽、自分の個性、そういうものを打ち出すことこそが自分のパフォーマンスなんだから・・・。

一緒に楽しむ、一緒に味わう、それは本当に弾く側にとっても聴く側にとっても一番大切にしたいことだね。