さっちゃんと９人家族

 　先週の木曜日のことでした。
早朝3時頃にしくしくW(11)がすすり泣く声が聞こえてきました。
「歯が痛い～～」

　2学期に入っての歯科健診では大丈夫だったのに・・・。とても机に座って授業なんて受けれそうにないので、まず歯科を受診してそれから学校に行くことにしました。

先生は「下から出てきている大人の歯が周りの歯を圧迫してそれで痛いのです。少し削って調整しましたから、もうこれで大丈夫だと思います。」と言って下さった。

Wは虫歯でなくて良かった、とほっとしたけれども、でもまだ痛みはあります。仕方なしに一旦自宅に戻って痛み止めを飲んで、それから学校に向かいました。

しかし、その日も翌日もだんだん痛みはきつくなり、薬を飲んでも効かないぐらい。

ズキン、ズキン、・・・・　絶え間なく痛み、もう物も食べられません。

おかゆはどう？
「なんとか、食べられるかも・・・」

あごの下まで腫れてきています。大人の歯が生えてくるだけなのに、こんなことになったのは初めてです。

土曜の朝、もう一度歯科に行きました。
私は約束していた練習を遅刻させてもらうことにし、Wは大好きなバレエのレッスンもお休みしました。あのWがバレエを休むなんてよっぽどのことです。歯に響いてとてもバレエなんかできない、と言います。

先生に診てもらうと、圧迫のために、隣の（以前治療した）歯に、炎症が起こってしまったとのことでした。

治療は単純、炎症の部分に薬を入れる。

「帰ってきてしばらくすると、あの痛みが嘘のように消えた」と夜遅くオケ練習のはしごをして帰ってきた私にWはにこにこして報告してくれました。久しぶりに見る明るい笑顔です。

「お母さん、痛みがないってこんなに楽なんやね。ほんまに嬉しいわ」

Wは、翌日になっても、その次になっても、何度も同じことを言いました。