さっちゃんと９人家族

　そうだ、Kさんとはクリスマスコンサートでルロイ・アンダーソンの「そりすべり」をした。あの曲はもともとちょっとばかりジャズったところがあるから、それなら彼女も気持ち良く引き受けてくれるだろう

K「はい、わかりました。とりあえず楽譜通りそのまま弾くことでOKということにしましょう。今週末も離れた実家の方に帰らなくてはならないので、合わせはほかの日にお願いします。」

そして初めての合わせの日。

もし、この状態で少しだけ変えられるとしたら何する？

「テンポを変えてみましょうか？」

ふむふむ、なるほど。それは一番簡単なやり方
左手の伴奏にちょっとアクセントをはっきり入れてみたらどう・・・？ちょっとおもしろいかも？

「はい、じゃぁ～こんな感じ・・・」

ということで少しだけ、曲を触ることにしました。
本番5日前の練習の時、Kさんはメロディーのところの変身を考えてくださって、そして私は私で考えていて、合わせてみると

結構いけるんじゃない？じゃぁ、Kさんがメロディーの時は私は左手のオブリガードを弾いとくわ
「ええ、いいと思います。」

かなり変化がつけられたので、満足満足。
でもその変身ぶりを頭に入れるために、何度も、繰り返し、少しずつ流れが自然になるように、手を加えて行きました。

では次の練習は前日のリハーサルでね！

とついに完成

あぁ～よかった。さて前々日の午後も自分だけの個人練習をしていました。そしたらいきなり玄関が開いて、

「こんにちは、ちょっとこの家の前を通ったらVnの音が聞こえてきたので、一緒に練習させてもらおうと思って立ち寄りました。いいですか？」

とKさんです。もちろん大歓迎、実はもう一か所手を加えたいなぁというアイデアを私、思いついてしまったもので・・・。

「え、ここからワルツにするんですか～～？　おもしろ～い」
うん、やってみようよ。きっとうまくいくと思う

ということで、最終的にはかなり手を加えた「そりすべり」が出来上がりました。