さっちゃんと９人家族

わたしも今までに路上の方と小さなつながりが二つほどあります。

その一つは

　河原町教会では月に一回炊き出しをされていて、ちょうど12月の炊き出しの時にはサンタさんがやってきて、小さなプレゼントされます。
何年か前のこのクリスマススペシャル炊き出しの時、前々日に、Vn弾いて！て頼まれて妹と一緒に弾きに行きました。

クリスマスソングを弾いたり、クラシックの小品を少しばかり弾いてから、皆さんのテーブルに割り込んで一緒に食事をいただき、お話もしました。

住む世界が違う？そんなことちっともありませんでした。
話題がない、てことも全くなく、おいしいコーヒーとケーキまでいただいて、楽しいひと時を過ごしたのです。

そう、お食事が出るのは外ではなくて暖かな大きなお部屋だったのです。

じゃぁ、またどこかでお会いしましょうね

と荷物を持って外に出れば、ひやぁ～と寒さを感じます。急いでコートのチャックを下から上まで閉めました。

でも彼らはお部屋の姿のまま、平気な顔してせっせと出ていきます。
むしろ外こそ僕らの居場所、と言いきっているかのように・・・

強いな～

バス停でただバスを待つだけのわずかな時間のうちに、どんどん冷えてかじかんでしまった私の手、その手でVnを抱きかかえながら、私は思いました。

あの寒さの中、ひもじい思いをしながら1日中外で過ごし、たぶん明日もそのように過ごし、その繰り返しがいつまで続くか、見通しもなにもない。

そんな厳しい毎日でも決して自分の命を放り出さない。

自分の身体がかなりしんどいところに来ていると知っていても、まぁこれでいいやんと思ってできる範囲のことをして良し、とする。

彼らは本当に強い人だ。

そうだ、私も何があっても彼らのように強く生きよう。
何があってもVnは手放さないでおこう。
この子（Vn）がいてくれたら、路上でも少しは仕事ができるかもしれない！