さっちゃんと９人家族

　　そんな二男のところに、大学から合格通知が舞い込みました。
「お～～、それはおめでとう～～」
とみんなに声をかけてもらって笑顔がほころぶ彼です。全敗するよりはずっといい経験です。少しでも勉強したことが評価されることもいいことです。
でも合格する可能性は限りなく少ない、というほどではなかったし、この合格を高校の時のように奇跡的、と受け取る家族もいませんでしたから、ごくごく普段着的な、おめでとう！！でした。

S「お母さん、どうしよ？」と彼は問いかけてきます。

というのも私は大学生なら大学生にふさわしいだけのある程度の知識と常識を備えてほしいし、またしっかり勉強するという経験も持ってほしい、と彼に語り、今この時点で合格することをそのまま入学とは考えず、もう一年まじめに勉強してもいいのではないか、という話を以前からしていたからです。
しかも合格したところは当たり前のごとく私立！何年通うことが可能だろう・・・1年か、2年か？と考えてしまう・・・。

でも彼が、「お母さん、どうしよ？」と私に声をかけた時点で、私は浪人は無理だ、と悟りました。人に決めてもらうほどの意志しか持たないものが浪人したところで、それが本人に有意義な学びになるはずはないと思ったからです。

彼が希望している学科は児童福祉。彼には一番向いていると家族みんなが思っています。そして私の友人もToさんの友人もその大学で教鞭をとってくださっている。

そう、本当は大学は勉強するところだよね。
私もいつの間にか「どこに入るか、が彼にとって大切な事なんだ！」に自分の考えがすり替わってしまっていたことに気がつきました。
勉強は大学在学中にやる気さえあれば一杯できるはずです。

「よし、じゃぁ～　入学後も国語と英語の勉強はする、ということで入学しますか！！」と合格通知以外に、親からの入学許可が必要だった二男でした。