さっちゃんと９人家族

　　午後からは京教大市民合唱団の今後の演奏会の打ち合わせで先生のお宅にお邪魔しました。
　１２月には去年のように学内で「メサイア」公演をしますが、ほかに来年に

　フォーレの『レクイエム』
　ペルコレージの「スタバトマーテル」

　の演奏会を学外で予定しています。　
まだ日程が決まっていませんが、この前「メサイア」公演を一緒にしてくださったメンバーさんたちに、この２曲の編成に合わせて声をかけ、一緒に演奏していただけるよう心積もりをお願いしていきます。

　とにかくこのメンバーたちはそれぞれのオケで別々に活動しているので、動きが複雑、なるべく早くからお伝えしておく必要があるんです。

　　フォーレはハープ、オルガン、があるというのも特徴的ですが、なんといってもほとんどＶｎがなく、Ｖａ　Ｖｃが４部に分かれるところが多くあって、中低音がとても充実している曲です。だからＶａやＶｃの人たちはとてもおいしいことでしょう。

ペルゴレージの方は管楽器は無しで弦だけです。私はまだ聴いたことがありませんがとても楽しみです。

さて、先生のところでは３時間ぐらいお話しをしていましたが、歌の場合自分の身体という楽器にぴったり合った音域の曲に出会えることはそうはありません。

だからしょっちゅう移調（調を変える）という作業をしています。
今なら、ＰＣのソフトですぐに楽譜を作ることはできますが・・・
先生が学生のころはもちろん、みんな手書きで楽譜を作っていたそうです。

自分のパート譜ぐらいは楽譜なしでも平気ですが、ピアノ伴奏やアンサンブルならば楽器の方も移調した楽譜を用意しなければなりません。

「いや～ぼくは好き、というほどのことではないけれど、結構楽譜作るのは楽しくてね、じゃぁ、ちょっと自慢しちゃおうかな・・・」
と古い楽譜をとりだされました。

え？？これが手書き？
どう見ても印刷としか思えないほどの美しさです。

第一、題名や歌詞の文字はイタリックなとても読みやすい字で書かれ、音符の配置も非常に分りやすい音の長さに合わせたものになっています。

「間違った時のために鉛筆で書くんだけれど、楽譜用に芯を平らに削ってね、それで細いところと太い旗を書き分けるわけだ」

はぁ～～、これはすごい

「これだけのことをなさったら、書きあがったころには歌詞も全部覚えておられたのではないですか」

「ほんとほんと、そういうものだよ。自分の声のために必死だった！」

昔はＰＣもなくキー一つで楽譜が作れるわけでもない、本当に不便だったけれど、こんなに美しい手書き楽譜を作る技を音楽学生たちに身につけさせ、楽譜を作ることで、歌以外の伴奏パートのことを全部頭に入れていったのですね。

自分で作るって、本当に素晴らしい学びだなぁと思いました。