さっちゃんと９人家族

　　下のA(10)は大慌てて学校から帰ってきて、「お母さん、頭!」とだけ言った。

今日は4時半からバレエの個人レッスンがある。今までは5時からだったから余裕があったのだけれど、4時半は渇々！！予定通り5分で彼女の頭をお団子に仕上げた。
Aは最速で出かけられるように、バレエの用意は昨日のうちにしていて、今日学校でいただいた宿題をかばんに突っ込んで、4時5分前に玄関を出た。

　Wも急いでバレエの用意をした。本当は彼女は7時からがグループレッスンなのだけれど、5時からの個人レッスンの方が体調を崩してお休み、というので急きょ代わりにWが個人レッスンを受けることになったからです。

　どうして代替えがWであるかと言うと、カナダで受ける予定のバレエサマースクールにもちゃんとオーディションがあって、近々WのDVDを作らなくてはならないから、先生は少しでもよいDVDを作ってあげよう、とじっくり教えられる個人レッスンをWにしてくださるおつもりなのです。

そんなわけで私はAの個人レッスン、グループレッスンが終わる7時ごろにお迎えに行きました。けれどもWも8時にはグループレッスンが終わります。
だからこの寒さもあるので、3人で帰った方が楽しいのでWのレッスンが終わるまで、待つことにしました。

すると黒グループのレッスンの曲が聞こえてきます。どういうわけかどんどん聞き覚えのあるソロの曲が流れていきます。

ドン・キホーテ、白鳥の湖、眠れる森の美女、ラ・バヤデール・・・

一体先生なんのレッスンしているのでしょう。

興味津津で、後からWに訊いてみたら、
『先生、「今日はちょっと楽しいことしようか」と言って、いろんなソロの曲かけてくれはったん。たぶん今までの黒クラスの生徒さんたちが踊ってはった曲。
私は少ししか踊り知らんかったけれど、Eちゃんは全部覚えてはって全部踊れはるの。
すごいで～～』

Eちゃんはただ今高校1年生。4年前に黒クラスになられてからのすべての振り付けを覚えておられるって・・・　

音楽が鳴り出すと、勝手に体が動いちゃうのでしょうか！！
人間の記憶の力って本当にすごいものなのですね～～