さっちゃんと９人家族

　　この前バレエのレッスンのとき、片足でずっと支持しながらもう片方をゆっくり動かすadagioの練習で、足がふらふらになって最後までできなかったW。

　｢どうしたの？」
と先生がおっしゃったので、正直に申し上げた。
｢今日はもうすぐあるマラソン大会のために朝も体育の時間も走ってばかりで足が疲れているんです」

｢えっ、マラソンはだめです～～！　そんなことするから太ももに大きな筋肉がついてしまうの。バレエに必要なのはとても柔軟でなおかつ強い筋肉。質が違うのだから、違う筋肉つけちゃだめ。」

あら～～、やっぱりだめですか・・・　太ももは関係ないと思うけれども、確かにかかとやアキレス腱に負担がかかるのは困りもの。

それで学校の先生にお手紙を書いて、止めさせていただくことにしたのだけれども、友人にメールで事の次第を伝えたW(中２）は私のところに来て言った。

｢マラソンも成績に関係あるんだって！　何か学校って何でも縛り付けてるみたい～～」という。

 というのもカナダに行くために2週間学校をお休みしたのだけれど、体育なんかは明らかに成績が落とされていた。出席が大事だから・・・という理由だった。そんな経験があるからこういう言葉となったのだと思う。

確かに学校教育というのは子どもたちに学ぶ機会を与えている所のはずなのに、今では子どもたちを評価する場になってしまっているかもしれない。
テスト、出席、態度、宿題、ノート、服装、行事・・・・

子どもたちの持つ潜在的な力を引き出す機会であること、忘れてないよね・・・
子どもたちが知らなかったことを伝えて、興味や関心、そして楽しさを教えてくれるところだよね・・・

私はWに即座に答えた。
「W、体育の成績大事なの？　バレエより？」
｢いいや！！」
「じゃあ　いいじゃない。そんなこと気にしない、気にしない～～」