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カテゴリ:兄
兄から電話がかかってきた。
兄は東京で不動産関係の会社を経営している。
経営しているというと聞こえは良いが、実は従業員はいない。 不動産の自営業、というところか?
日本で短期間労働、または勉強する外国人のために、 家具付き=布団、衣装ケース等。 冷蔵庫、洗濯機、浴室、キッチンは共同の部屋を貸し出すという事業らしい。
以前、私が東京に遊びに行った時に見せてもらったのは、 普通の二階建て一戸建て住宅だった。 大きさは、台所、浴室、トイレのほかに部屋が4つ。 1部屋を2人で使うから、8人で使う。
一軒家をいくらで借りているかは不明だが、 この8人からそれぞれ家賃を回収している。
兄はこの家の管理人でもある。 遊びに行ったときは、ちょうど洗濯機が壊れていて、 そのホースの取替えや、台所の生ゴミ掃除などをしていた。
不動産会社の経営者兼管理人。
立場がよくわからないところである。
こういった物件を、東京でいくつか管理しているらしい。 ニーズはあるらしく、商売はうまくいっているらしい。
その兄から、電話がかかってきた。
兄「なぁ、東京にいい物件があってな」 私「うむ」 兄「今まで、物件は借りてたんやけどな、思い切って買おうかと思うてる」 私「ほう、たいしたもんやな」 兄「それで、お願いがあんねん」
私「断る」
兄「何も言うてへんやん!!」 私「何も聞く前から、とりあえず、断る」 兄「とりあえず、聞いたってぇな。」
名義貸して欲しいねん。
兄「名義だけや。もちろん借金するけどな、その借金はお前のもんやあらへん」 私「・・・」 兄「実際な、家は俺が使わせてもらうけど、持ち主はお前や」 私「・・・」 兄「住宅控除を受けれるから、年末調整でお金返ってくるで」 私「・・・」 兄「もし、事業に失敗して、ローン返済が滞っても、お前に請求がいくことは絶対ない」 私「・・・」 兄「だから、名義だけや。貸したってぇな」
だまされてはいけない。
この兄に付き合って30年。 私の中の「危険」サイレンがワンワン鳴っている。
名義、絶対に貸すもんか。
絶対、借金取りがやってくる。
私「ごめんな、兄。応援はしてるけど、死んだ親父の遺言で、保証人と名義貸しだけはするな、っていわれてるんよ。すまんなぁ。名義は貸せん。」
親父、勝手に死なせて、ごめん。 兄の悪いところは、目的のためなら平気で嘘をつくところである。 だいたい、九州出身なのに、東京で大阪弁で商売しているあたり、とーってもうさんくさい。
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最終更新日
2008年12月04日 10時13分41秒
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