[美味しい本]の記事一覧 | ≪希望≫

将の器　参謀の器

童門冬二　著青春出版社「人生の指南書」みたいなジャンルが大嫌いなのだが、なぜか読んでみようという気になった。内容はあまり目新しいものではない。どこかで聞いたことのあるような話ばかり。それでも、やっぱりそうだよねと納得できる部分もあり、読んでみてよかったと思う。

2008.07.18

コメント(0)

ドコモとau

塚本潔　著光文社新書機種変をしたので興味が湧いて…といういたって単純な理由で読んでみた。中身的にはそれぞれの会社の方針が分かりやすく書かれていておもしろかったのだが、如何せん古かった。2004年に初版が発行されているので、まだSoftbankの影も見えていない。最新の状況を解説した本を、もう一度書いていただきたいものだ。

2008.07.16

コメント(2)

エスピオナージ

麻生幾　著幻冬舎ロシア諜報機関と外事警察の戦いを描いた警察小説。非常に細かい描写と、次々とどんでん返しがある展開で、飽きないで読み続けることができる。もったいぶった表現の連続は時としていらいらさせられるが、全体にとても読み応えのある作品だと思う。それにしてもこの筆者はきっとオタクだ。。。

2008.06.23

コメント(4)

朴正熙、最後の一日

趙甲済　著草思社1979年10月26日、当時の大韓民国大統領朴正熙が、ＫＣＩＡ部長に射殺される。ある種の独裁政権であったことは事実であるが、その後のリベラル政権時代に徹底的に否定されてきたにも関わらず、韓国国民の彼に対する評価は必ずしも低くはないという。この本は、そうした国民世論を背景に、民主政権時代に朴正熙を再評価すべく書かれたものらしい。自分としては、当時の要人警護の問題点や、有事の際の軍事組織コントロールの重要性について勉強できるという意味で面白い本だった。

2008.06.14

コメント(0)

いつか僕もアリの巣に

大河原恭祐　著ポプラ社めっちゃ面白いわ～。社会性昆虫系のツボにハマりまくった本だった。子供の頃、うちの庭でさんざんアリを使って遊んでいた。アリの生態自体への驚きも面白さの基だと思うが、なにより多くの人が、楽しかった昔の記憶をアリを題材にして思いだすのではないだろうか。その何とも言えないほのぼのした面白さがこの本の魅力だと思う。皆さん、ぜひどうぞ♪

2008.06.06

コメント(7)

三国志　将の名言　参謀の名言

守屋　洋　監修青春出版社自分の仕事が忙しくなってくると、この手の名言ものが読みたくなる。初めて見る言葉はなかったが、改めてその内容を学ばせてもらった感じ。

2008.06.05

コメント(2)

図解　第三帝国

森瀬　繚/司　史生　著新紀元社ナチス党が支配した1933年から1945年のドイツの組織・人物・歴史が分かりやすく解説されている。学ぶべき人間の負の歴史のOne-of-代表格ということで、ナチス時代のドイツには興味津々である。広い範囲の基礎的な事実について分かりやすく解説されているので、色々と勉強するに当たって便利な一冊。

2008.05.31

コメント(0)

線路にバスを走らせろ　「北の車両屋」奮闘記

畑川剛毅　著朝日新書雪や、超低温、過疎。悪条件の中で、いや中だからこそ、ＤＭＶがいかに開発されてきたかを紹介している一冊。やや技術的で難しい内容になっているが、素人でも面白く読める。

2008.05.25

コメント(2)

プーチン

池田元博　著新潮新書先日、大統領を退任してすぐさま首相に就任したプーチン。今、彼が注目株だなってことで読んでみた。ロシアを巡る諸情勢の流れが早すぎて、モスクワで何年か特派員として勤務していたらしい筆者の記述も残念ながら現在のロシアの状況にはついてこれていない。それでも、ソ連邦の崩壊から大統領に就任してまもなくの頃までのプーチンの動きをおさらいできたので良かった。

2008.05.10

コメント(0)

強権と不安の超大国・ロシア　旧ソ連諸国から見た「光と影」

廣瀬陽子　著光文社新書アゼルバイジャンに詳しい著者が、旧ソ連諸国からの視点を中心に強権化するロシアを論評した作品。中国同様、われわれの感覚からすると普通の国とは言い難いロシア…今後どう進んでいくのか。。。興味は尽きない。

2008.05.02

コメント(0)

アラブとイスラエル　パレスチナ問題の構図

高橋和夫　著講談社現代新書この本は1991年10月、中東和平国際会議の直前に書かれた本であり、したがってそこで解説されているパレスチナ情勢はやや古いものとなっている。しかし、この時、国際会議の開催という和平への動きがあったにもかかわらず、いまだに問題の解決がなされていないという意味では、当時と基本的な違いはないともいえる。この問題に関する書籍を読めば読むほど、その根深さや解決の難しさが痛感させられる

2008.04.25

コメント(0)

反米大陸　－中年米がアメリカにつきつけるNO！

伊藤千尋　著集英社新書読み始めてまもなく「あれあれ？」というちょっとした違和感を感じて著者の略歴を確認。団塊の世代で、朝日新聞の記者出身。「う～む」ってことで妙に納得してしまったが、あまりに自分のイデオロギーを表面に出して物を記すと、全体の信頼度が大幅に低下してしまうということがお分かりいただけないようだ。まあ、それはそれとして、価値基準が特にどちらに偏っているわけでもない人間にとっては、ノスタルジックな面白さというものもある。

2008.04.19

コメント(0)

さらば歯周病

河田克之　著新潮新書一年あまり前に歯医者で歯周病に気をつけましょうと言われ大いに傷付いていたので、この本を見つけて読んでみた。本書は、「歯周病予防のためには歯石の定期的な除去が不可欠」というに尽きる内容なのだが、それ自体はともかく、「人間30代以降になれば、程度の差こそあれ、ほとんど全員に歯周病の進行が始まっている」という事実には驚かされた。なかなか難しいことだが、定期的な歯の掃除って大事なんだなと改めて痛感。

2008.04.10

コメント(13)

自爆テロリストの正体

国末憲人　著新潮新書国際テロ・ネットワークの「アルカイダ」。その自爆テロリストたちが、何か美談の対象になるような特別な存在ではなく、カルト教団に騙される信徒たちと同じで、挫折感に付け込まれた普通の人間なんだということを強調する内容。なるほどそうかもと思いつつ、新聞記者に特有の決めつけと視野の固定化が感じられて抵抗感もある。いずれにしても、思い切った取材を根拠として記録されている部分は貴重であり、一読の価値はあると思う。

2008.03.30

コメント(0)

東京大学応援部物語

最相葉月　著新潮文庫職場の同僚に勧められて読んでみた。応援部員の右往左往が、なぜか涙を誘う。神宮の大学野球は学生時代に一度見ただけだが、もう一度行ってみたいという気分になった。

2008.03.26

コメント(0)

虫たちの生き残り戦略

安富和男　著中公新書いやぁ、最近、昆虫に再びはまっているわけだが、この本もめちゃくちゃ面白かった。昆虫たちの一見不可解な行動がどういう理由によるものなのかといったエピソードなどが章ごとに紹介されている。「昆虫は感覚の世界に生きている」という紹介があったのだが、大脳が発達して理性の世界に生きているヒトとは、非常に対照的で、でもそれなりに合理的な昆虫の世界の一端が垣間見えて非常に興味深かった。昆虫、恐るべし。

2008.03.21

コメント(4)

ジャガイモの世界史　歴史を動かした「貧者のパン」

伊藤章治　著中公新書スペインのインカ帝国への侵略に伴って、ジャガイモが世界に流出拡大した。寒冷で痩せた土地でも栄養価の高い芋を付けるため、日本も含め、世界中の歴史の中で大勢の人間を飢餓から救ってきたという。今では「カロリー」が低い健康食品として注目されつつあるというから世の中も変わったものだ。

2008.03.18

コメント(6)

アラブの大富豪

前田高行著新潮新書前任地で最後に赴いたのはサウジ、ＵＡＥなどのアラブ諸国だった。その時に感じた、妙に地に足のついていない感じの富裕感と、王族たちのユルさが印象的で、この本を読んでみた次第。オイル・マネーの歴史、今流行りの政府系ファンドの動き、湾岸諸国社会の抱える問題点、色んな論点について興味深く読ませてもらった。またアラブに行ってみたくなる。

2008.03.11

コメント(2)

昆虫はスーパー脳

ヒトと対極の進化で身に付けた「超脳力」山口恒夫　監修技術評論社　発行地球上で最も繁栄している生物は昆虫だという。我々は我々の世界で、すべてを支配している気で生きているが、果たしてそうか！？小さくても、ヒト以上の機能性を見せる昆虫の脳に着目した本書。ちょっと難解だが、生物に興味のある人ならなんとか読めると思う。

2008.03.08

コメント(6)

またまたへんないきもの

早川いくを　著寺西晃　絵バジリコ株式会社　発行2004年、新聞か週刊誌の書評で興味を持って読んだのが「へんないきもの」。その続編となる「またまた～」、今回も相当インパクトが強くて笑えた。おそらく写真でまじめに解説されると気持ち悪いだけと思われる生き物たちだが、著者のユーモア溢れる解説が最高に面白い。生物好きなら必読！

2008.02.27

コメント(4)

酸素のはなし　生物を育んできた気体の謎

三村芳和　著中公新書この地球には酸素があったから生命が生まれたのでは…などと漠然と考えていたが正確ではなかった。酸素は、エネルギー生成に必要な化学変化の過程で、電子の効率的な受容体として生命体の大型化に貢献した…ということらしい。あ～、難しい。地球誕生から生命の誕生・進化の過程を説明している部分は良かったが、後半になって酸化・還元の化学式を連発されるとかなりきつかった。ふぅ～。

2008.02.24

コメント(2)

ローマはなぜ滅んだか

弓削　達　著講談社現代新書この本が書かれたのは1989年である。日本経済が世界を席巻しつつあり、日米経済摩擦やハイテク戦争などの言葉が飛び交う時代だった。同時にこの時代は、将来の転落に向けての不安が膨らんでいる時代でもあった。本書は、かつて地中海世界を制覇し続けたローマ帝国がなぜ崩壊したかを概観し、そこから教訓を得ようとするものである。正直、とても難解。。。。

2008.02.10

コメント(0)

海の世界史

中丸　明　著講談社現代新書「古代の海の遊牧民から大航海時代まで、理想郷、一攫千金を求め、人は海に繰り出した！」海を舞台に世界史のいくつかのエピソードを面白おかしく説いてくれる本。未知への挑戦と言っても、やはり富の獲得や宗教の拡大という現実的な欲望がその活力の源になってきていることがよく分かる。現代における宇宙への挑戦は、そういう活力源が少し不足しているのかもしれない。

2008.02.03

コメント(0)

キング牧師とマルコムＸ

上坂　昇　著講談社現代新書現在各党の候補者指名選挙が進んでいるアメリカ大統領選挙の過程で、民主党のクリントン候補が、アメリカにおける黒人の地位向上の歴史の中で、キング牧師の果たした役割を過小評価したのではないかとの指摘がなされたとの記事を見た。キング牧師の名前は聞いたことがあるが、その具体的な活動の内容などは承知していないので、この機会にマルコムＸとともに勉強してみることにした。公民権法が成立したのも、実はほんの数十年前。アメリカにおける人種問題の根深さを改めて知らされるとともに、民主党を中心に指名選挙の推移への関心が一層高まった。

2008.01.27

コメント(4)

聖書vs.世界史　キリスト教的歴史観とは何か

「普遍史」(universal history)という言葉をご存じだろうか。私は、本書を読んで初めて知った。神による天地創造、すなわちアダムとイヴの時代から歴史(人類の歴史ではなく全ての歴史である。)が始まるという聖書の記述を事実として認めることによって成立するもので、天地創造の瞬間から創世紀元１年として歴史が編まれていく。。。それが「普遍史」と呼ばれる歴史である。この歴史の中では、編者によって差異が生じる(このこと自体が創世紀元の非科学性の証明だ)のだが、一つの例としては「ノアの大洪水」が創世紀元2242年、モーゼの時代の出エジプトは創世紀元3689年、イエスの誕生が創世紀元5199年ということになるという。科学の時代が訪れ、かつ、キリスト教国ではない日本人から見れば「笑止」の一言に尽きるが、ヨーロッパ社会においてこの普遍史を脱却し、現在の世界史が公然と語られ、認められるようになったのはなんと18世紀に入ってからのことなのだそうだ(実は日本に至っては、20世紀以降、はじめて正確な世界史を知り得た訳だから「笑止」どころではないのだが…)。イエスの誕生という「歴史的事実として確認できる時点」を第1年とした西暦すなわちキリスト歴が一般的に使われるようになったのもこの時期だという。西暦の導入によって、イエス誕生以前の事象についても、その歴史的事実としての年代が「B.C.○○年」として一つに確定させていくことができるようになった…という事実も、この本を読んで初めて知り、何の気なしに使っている暦にも、それ自体として歴史や意味があるということを知らされ、非常に興味深かった。

2008.01.20

コメント(0)

宗教改革の真実

カトリックとプロテスタントの社会史永田諒一　著講談社現代新書宗教改革と言って思い出す用語は、ルターやカルヴァン、免罪符に、95カ条の論題あたりか。。。中身についていえば、「カトリック教会組織が腐敗して、ルターらが「聖書に帰れ」というような言葉をお題目にして、教会組織に対峙するとともに、キリスト教信仰を民衆化した？」みたいな低いレベルの認識なのだが、本書では、そういう歴史の流れの中で、社会の大多数を構成する民衆たちの一部はなぜプロテスタントを支持し、かつ彼らのの実際の生活がどのように変化したのかといったことなどがビビッドに表現されている。

2008.01.14

コメント(0)

イスラームとは何か　その宗教・社会・文化

小杉　泰著講談社現代新書イスラーム紹介書籍をずいぶん読み込んできたせいか、この本の説明が素人にも理解しやすいものだからなのか、イスラームの特徴・現状や、ヨーロッパ諸国(キリスト教世界)のイスラームに対する観方の根本などが非常にすんなりと理解でした。

2008.01.08

コメント(0)

図解雑学　数論とフェルマーの最終定理

久我勝利　著關口力　百瀬文之　監修ナツメ社フェルマーの最終定理とは、次のことを証明すること。「Ｘのｎ乗＋Ｙのｎ乗＝Ｚのｎ乗(ｎは３以上)を満たす自然数Ｘ,Ｙ,Ｚは存在しない」ということで、最近脳味噌のヘタリを感じているので、年末年始に喝を入れてみるかと読んでみた。図解雑学シリーズなので、全体に分かりやすく説明されており、最初のうちはふむふむという感じで、適当な刺激を受けながら読んでいたが…後半は厳しかったな～。そもそも数２ｂまでしかやってないし。。。(古っ)

2008.01.03

コメント(8)

もしもあなたが猫だったら？

「思考実験」が判断力をみがく竹内　薫著中公新書筆者特有の語り口で、誰もが気軽に興味を持てる話題から、気がつくと相対性理論について考えさせられている。「思考実験」の重要性については今ひとつよくわからなかったが(ｗ)、動物の視覚細胞の話から重力と加速度の話まで、脳細胞をたっぷり刺激されて十分に楽しませてもらった。

2007.12.31

コメント(3)

神聖ローマ帝国

菊池良生　著講談社現代新書塩野先生の『ローマ人の物語』を読んできて、ローマ帝国の分裂から神聖ローマ帝国へという流れに興味があり読んでみた。皇帝がいて、王がいて、大公もいれば公もいる。それぞれは勝手に名乗られているわけではなく、それなりの歴史的経緯に基づく権威が必要だった。高校時代から世界史は大好きだったが、そういうことって教えてくれなかったよな。。。

2007.12.29

コメント(4)

生物と無生物の間

福岡伸一　著講談社現代新書これは面白い！！さすがにやや難解な部分もあるが、それでも専門的な問題を、自分のような素人にも楽しく読めるものとして巧みに表現している。また、冒頭の日米の野口英世評の違いに関する話など、所々に社会的なエピソードが含まれていて興味深く読み進めることもできる。「生命とは自己複製を行うシステムである」という定義の提示から始まって、ここに時間軸、時間の流れという視点が加えられ、「生命とは動的平衡にある流れである」という再定義に至る。これだけを見ると何だかわからないが、本書を読めばなるほどと得心可能。生物学に少しでも興味のある人なら楽しく読めること間違いなしだと思う。

2007.12.16

コメント(2)

美しい国　ブータン

平山修一　著リヨン社　発行かに心書‘国民のほぼ全員が幸福と実感する国ブータン。「ひとなみ」を気にすることなく「自分なり」を追求できる’途上国を訪れると、時間の流れや人の生活スピードのゆっくり加減に驚かされ、妙に羨ましく思ったりすることもある。でも、そこにこそ「真の」幸福があると考えるのもやや単純に過ぎるのではないかとも思う。少なくとも、今現在の自分の価値観も相対的なものなんだってことを知る縁にはなるかな。

2007.12.10

コメント(4)

日本人なら知っておきたい　名家・名門

こういう系統に結構興味があるので楽しみながら読んだ。五代前まで系図をさかのぼれる家さえ実際にはほとんどないと思われる中で、歴史と伝統のある名家・名門というのはそれなりに価値があると思う。

2007.12.05

コメント(2)

新しい太陽系

渡部潤一　著新潮新書今年の夏、『冥王星が惑星から降格』的な見出しが新聞紙上に踊っていた。国際天文学連合がそういう決定をしたらしいと漠然と受け取っていたが、「冥王星が可哀そう」とか「はずすのはけしからん」とか、様々な反応が示されていたので興味を持っていた次第。本書を読むことによって、現代の天文学は、専門レベルではもちろんだが、一般知識として知っていたいレベルの内容についても、自分が学生時代（それも主として小・中学校時代）の理科や地学の授業で教わっていた頃のものからは随分進歩しているんだなということを教えられた。久しぶりに読み耽らしてもらった本だ。

2007.12.02

コメント(13)

バチカン　-ローマ法王庁は、いま

ヨハネ・パウロ二世の死と、ベネディクト16世の法王就任。激動の時代のバチカンをわかりやすい言葉で説明してくれる。欧米社会は、多かれ少なかれカトリックの理解なしには読み解くことができないものであり、こうした解説本はとても貴重だと思う。

2007.11.26

コメント(0)

『日本人のしきたり』シリーズ？

『日本人礼儀作法のしきたり』飯倉晴武　監修青春出版社『日本人数のしきたり』飯倉晴武　編著青春出版社日本人の歴史に根差した様々なしきたり。子供の頃の出来事の意味が今になって知らされたりする部分もあって興味深い。少しでもこんな風習を残していきたいと思う今日この頃。

2007.11.07

コメント(8)

信長と消えた家臣たち　失脚・粛清・謀反

谷口克広著中公新書信長は天下統一の過程で多くの配下の者を粛清した。なぜ信長は周囲の理解を超えた過酷な処分を行ったのか。一方、趨勢が明らかにもかかわらず、結果的に少なくない数の武将が反旗を翻したのはなぜなのか。申し訳ない。最後まで集中力を維持して読み切れなかった。。。

2007.10.14

コメント(0)

女ひとり玉砕の島を行く

笹幸恵著文芸春秋新聞の書評欄で見かけ、興味があったので読んでみた。1974年生まれの若い女性ライターが太平洋戦争の激戦地における遺骨収集事業や慰霊碑の実態に興味を持ち、実際に南方戦跡の訪問を重ね書き上げたルポ。「女ひとり」という表題設定の仕方(実際ひとりで行っている訳ではない。)や、慰霊碑保存の在り方に関するやや感情的な反応が気にはなるが、ルポの主要部分については思わず涙しながら読ませていただいた。その行動力と歴史認識は尊敬に値すると思う。

2007.09.17

コメント(6)

ロマンと感動　海外鉄道の旅

山口弘之著創英社発行三省堂書店発売ご夫婦で世界を旅しておられる筆者の旅行記第二弾。鉄道を中心にした個人旅行なので、トラブルとご苦労の連続。ご奮闘の結果、何度となく危機を脱するお話も痛快だが、いつも一緒に挑戦を繰り返していらっしゃるであろう奥様の肝っ玉が秘かに痛快だ。もちろん、旅先の様々な絶景描写も楽しめる。

2007.09.16

コメント(1)

官僚とメディア

魚住昭　著角川ONEテーマ21一生議論しても理解し合えないし好きにもなれないだろうタイプの著者であるが、「そもそも報道とはそれほど神聖な仕事ではなく、情報という商品を不特定多数の消費者に売る仕事にすぎない。そして、その商品の原料である一次情報の約七割（これはあくまでも私の実体験に基づく推測だが）は、官庁もしくはそれに準じる機構からただで提供されるものだ。そういう意味で報道に携わることを恥とするならともかく神聖視したり、特権視したりするいわれはまったくない。」（本書172ページから引用）との認識には全く同感。ジャーナリズムなるものを大上段に振りかざすこととの矛盾を感じるが、興味深く読める作品だと思う。

2007.08.13

コメント(0)

とてつもない日本

麻生太郎著新潮新書なるほど。正直、共感できる。それは一国民として。

2007.08.10

コメント(2)

「慰安婦」問題とは何だったのか

～メディア・NGO・政府の功罪～大沼保昭著中公新書在日朝鮮人の指紋押捺問題やサハリン棄民問題、さらに慰安婦問題と、世論の中心的課題にはなかなか据えられないものの、一旦議論になると百論が噴出する問題に数多く関わってきた著者の一冊。著者は、実は恩師でもある。非常にセンシティブな問題でありながら、極力リベラルな立場から、様々な主体のこの問題に対する取り組みについて、冷静に評価を行っている。基本姿勢には共感できない部分が多いのだが、この姿勢は尊敬に値すると思う。

2007.08.05

コメント(1)

ダ・ヴィンチ・コードの「真実」

ダン・バースタイ編沖田樹梨亜訳竹書房文庫興味津々で見た「ダ・ヴィンチ・コード」。その解説本というか、批判本というか、分析本である。色々と疑問に感じていた点を客観的に説明しようとした本で信頼できる。

2007.07.20

コメント(2)

シーア派　台頭するイスラーム少数派

桜井啓子　著中公新書イスラムシリーズ最終章。分かっているようで分かっていなかったシーア派とスンナ派の違い。シーア派＝「より悪？」といった漠然としたイメージの誤り。しかし、読み疲れた。

2007.07.12

コメント(1)

聖典「クルアーン」の思想　イスラームの世界観

著者：大川玲子あ講談社現代新書「クルアーン」の内容を具体的に紹介しながら、イスラムの思想内容をわかりやすく紹介してくれる。イスラム教徒がユダヤ教徒やキリスト教徒にどのような感情を抱き、また逆にその主張ゆえにユダヤ教徒やキリスト教徒がイスラム教徒に対してどのような認識を持ちがちであるのか、本書の紹介によって若干理解できた。

2007.06.28

コメント(2)

ジハードとテロリズム　日本人が知らないイスラムの掟

著者：佐々木良昭ＰＨＰ新書聖「戦」のニュアンスが過度に強調されてしまった「ジハード」だが、著者は、そうした教義解釈的な部分（誤解？）にはあまり言及せず、今、現実に起きている「テロ」がなぜ「ジハード」として実行されているのかという問題について、イスラームの人々の考え方や、感情を十分に理解し、地に足のついた分析を行っている。

2007.06.21

コメント(2)

サウジアラビア　－変わりゆく石油王国ー

著者：保坂修司岩波新書世界最大の産油国であり、イスラムの原点となる地域を支配する国家であり、ウサマ・ビン・ラーディンを産み出した国、サウジアラビア。その歴史と、現代の苦悩を解説する。１週間滞在した国であり、色んな意味で納得。

2007.06.21

コメント(0)

中東イスラーム民族史

著者：宮田　律中公新書イスラーム民族を構成する主要３民族である、アラブ、イラン、トルコの関係を歴史的視点から解説。

2007.06.20

コメント(0)

イスラームの世界地図

21世紀研究会編文春新書ＧＷのアラブ歴訪以来、イスラム教、イスラム社会への興味が高まり、何冊かの本を買い込んで読んでいる。これはその第一弾。イスラームの基礎知識や中東情勢の基本が、分かりやすく解説されている。

2007.06.19

コメント(0)

青雲はるかに

(上下二巻)著者：宮城谷昌光発行所：新潮文庫古代中国の戦国時代、「遠交近攻策」で有名な秦の宰相｢范叔」が主人公。不遇の説客時代から、罪人としての逃亡生活の時代を経て、大国「秦」の宰相にまで登りつめた後、その波乱万丈の人生を閉じるまでが描かれている。逃亡時代以降の後半は、主人公に濡れ衣を着せた上、筆舌に尽くしがたい恥辱を加えた魏の宰相に対する復讐譚のようにも見えるが、相変わらずの著者の格調の高い文章で、厭らしさは感じられない。宮城谷ワールドはどれを読んでもいい。

2007.04.20

コメント(0)