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テーマ:お勧めの本(7371)
カテゴリ:Daily life
「暮らしのおへそ」
その人だけがもつ習慣、その人の根っこをつくるもの。それを「暮らしのおへそ」と呼んでいるシリーズのVol5。 様々な生き方をしている人たちの生活やその中のこだわりを紹介していて面白い。 何気なく書いてある言葉や、暮らしの中の雑貨など、好きなものが多いのもあって、このシリーズはお気に入り。 人がどうとか、流行とか、気にすることなく、じっくりゆっくり自分らしく生きている人の暮らしって素敵だなと思う。 Vol5の中では、料理家ケンタロウさんのところが良かった。 「人は、仕事のために、責任のためにと、いろいろなことをあきらめがちです。でも、あきらめたことのなかに、本当の自分らしさが埋もれているかも。・・歩いて行く道を一本に絞らず、これがダメだったらこんな道もあると、人生を複眼で眺めること。それが、ケンタロウさんの備えるおへそ」という言葉に共感。 料理家としてのケンタロウさんのレシピは、なかなかダイナミックな発想で面白い物が多いので試す事も多いけれど、なかなか味もダイナミック過ぎて私好みの料理に仕上がらない事が多いのも事実(笑)。。 「藤原家の闘う子育て」藤原美子 作家夫婦・新田次郎と藤原ていの次男で数学者にしてエッセイストの藤原正彦の奥様の書いた藤原流子育て奮闘記。 イギリス・ケンブリッチ大学への留学に伴う滞在生活をもとに、海外生活を通して見えてきたものがAUS時代を思い出させてくれた。 あまりこういう子育て本とか、マニュアル本とか読まないけれど、たまにこんな本を読んでみると、子供の新たな一面が発見できそうだなって思う。 でも、ちょっとこの本、古すぎ。海外生活も、昔と今、かなり変ってるし。 その中でも、気に入ったのは、 ーーー「心動かす」より 脚本家の如月小春さんを取材した記事で、「芝居はそもそも虚構の世界なのに、なぜ人々は芝居を演じ、芝居を楽しもうとするのだろう。私たちはまったく肉体を使わないでいると、体がなまり、不快に感じられ、体を動かしたくなる。それと同様に、心もあまり平坦であり続けるとそれを動かしたくなるのではないだろうか。芝居で描かれている世界は日常以上にドラマティックである。人々は芝居を観て涙を流したり、感動したりする。この激しく心揺さぶられ感動する、ということを求めて、人々は芝居を観るのではないだろうか。」という如月さんの洞察に深くうたれた作者が、高校時代を懐かしみながら、「当時は感情の高波によって天高く放り上げられたり、海の底まで飲み込まれたりしていたように思う。自分の感情の振幅がうとましく、ただ持て余すばかりだった。あのころのような激しさは失われ、今はときには退屈し、感動を渇望するようにもなった。これはようやくこの年になって、感動の真の素晴らしさに気づいてきた、とも思えるのである。ーーー まだ、自分の年が、感情を持て余す年でないのは事実だけれど、感動の真の素晴らしさに気づいてきた年でもない気がする。 いつか、私もこんな風に言える時がくるのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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