「でんでん虫のかなしみ」・・・。
落ち葉 posted by (C)うっかり八兵衛・・・ 落ち葉もどこか寂しげで・・・。「でんでん虫のかなしみ」というお話がある。 ある日、でんでん虫は大変なことに気づく。 背中の殻の中には、悲しみがいっぱい詰っている。 どうしたらよいのか。 でんでん虫は仲間を訪ねて訴える。 すると仲間は、自分の殻も悲しみだらけだ、と言う。 別の友人に聞く。 やはり同じことを訴える。 そうか、悲しみは誰でも持っているのか。 自分だけではないのだ。 ・・・でんでん虫は嘆くのをやめた。美智子皇后陛下は、幼いとき このお話を聞かされ、強く印象に残ったという。(折々にそのお話を思い出しては、心の支えにされたのだは、とお察しする。)皇后陛下は仰る。・・・「私は、この作品が決して嫌いではありませんでした」と。その後も、幾度となくこのお話を想いだされ、若くして亡くなった童話作家「新美南吉」の作品と知り、すっかりファンになられ、全作品を愛読されたそうだ。結婚後に、福島のある小学校に新美南吉の全集を贈られているほどの思い入れ、と聞く。東日本大震災の被災地をご慰問されたとき、そっとお年寄りの手を取られ、「よく耐えてこられましたね」とお言葉をかけておられるお姿にも、本当に心からの優しさを感じられるのは、そんな読書の出発点がおありだということ、そして そんなことも、皇后さまのお人柄を想わせるひとつ、なのかもしれない。そのお話は、作家 出久根 達郎氏のエッセイで知った。自分だけが 悲しいのではない、と改めて考えなおす。自分自身も、「本」たちとの出会いが、幾たびも心を救ってくれている。季節は晩秋・・・。最近、また 本を買ったり、図書館にも通ったりしている。心を奮わせる「本」との出会いがまたあれば、と期待しつつ。 皆さま。晩秋の夜、何を想ってマスか?ぢゃ、また