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カテゴリ: 推薦イベント
ギリシア的神殿舞踏としてのオイリュトミーが、
日本の新しき神楽となって地水火風空の生命を得て拡がってゆくことの喜びは、身体中総毛立つほどの高揚と興奮を覚えるものでした。 たしか2000年にビクターからリリースされた伶楽舎とブライアン・イーノによる二枚組みCD『陰陽師』。 そのなかで笙を奏されていた伶楽舎の田島和枝さんの、霊妙なる雅楽の音にぴったりとマッチした新しきオイリュトミー。 まだ20世紀からのわずかな歴史しかもたないにも関わらず、能舞台にこれほどぴったりはまる動きの芸術は、秦理絵さんという開かれた感性をもつオイリュトミストの個性によるものだけなのでしょうか? いいえ、違うと思います。まったく新しいことが八百万の神々と遥か彼方からの宇宙精神の見守る中、杉並の能舞台で起きているのです。 少なくともわたしは、下記の舞台を全て観てそう直感いたしました。 なにより印象深かったのは2008年9月27日の「常世の水 白比丘尼抄」(夢枕漠原作 岡野玲子『陰陽師 白比丘尼』(白泉社)より)の舞台がはねた後、駆けつけてくださった漫画家の岡野玲子さんと秦理絵さんがひしと感動を分けあっている姿でした。 そして素晴らしい田島さんの笙、やわらかな渡邉さんのヒーリング・ヴォイスでした。 この流れは画期的。見逃せませんよ、皆さん。 日本の神様に限らず、どれほどの目にはさやかに見えない存在たちがこの神楽ニューウェイブに期待されていることでしょうか‥‥想像するにあまりあります。 カタリナnote 左から岡野玲子、秦理絵、田島和枝各氏 「常世の水 白比丘尼抄」に行くまでの、 秦理絵氏のオイリュトミー舞台プロセス ☆☆☆☆☆☆☆ 「アマテラス」2007年9月9日&10日@三鷹 日本神話に秘められた天地創造、国生み、天の岩戸の秘儀を、さまざまなダンスとオイリュトミーにより表現。秦理絵氏はオイリュトミーによるアマテラスを客演。イヤハエ、ヤハエ、 弥栄という調子のよい掛け声が心地よく耳に響きました。 「火の風の夢」2007年11月10日&11日@三鷹 ~新しき神楽の誕生を願って~ 秦氏がオイリュトミーを始めてから25年の節目の歳にスタートすることとなった新しき神楽としてのオイリュトミー。彼女の作になる宇宙的な短歌が舞台に玲瓏と響き渡り、声による祓い清めが行われた結果、そこは天空の精神界を映し出す場と変わっておりました。 最後の演目「こきりこ」は、懐かしく楽しさ満杯という意味において必見。 この舞台においてすでにアマテラスの霊性、聖マリアの霊性の香りを感じることができ、静かな興奮を感じたのは私だけではなかったはずと思われますが、いかがでしょうか。 舞台背景は天井から大判の白い和紙が下ろされ、大きな繭に包まれたような柔らかな雰囲気が心地よく、いつもの倍以上?の7~80名ほどの観客が押し合いへしあいしても、和やかな雰囲気となっておりました。 ●プログラム~星の舞・ひふみの祝詞・地水火風空の動き・昔話『若返りの水』・こきりこ円舞 ●オイリュトミー~秦理絵、高久真弓・ダンス~かさはらマミ、伊藤虹、片岡通人 ●古代土笛&聲&篠笛~宇々地、多麻美・太鼓~松岡忍・波紋音~斉藤鉄平 「原始の生命(いのち)」 2008年6月21日@カフェ・TOUMAI、高尾 ~夏至の日の夜…古代の響きが蘇り 天と地の舞い人は、原始の生命と共振する。~ ダンサー二人、楽人二人のシンプルなパフォーマンス。 神殿舞踏としてのオイリュトミーは、その舞台をカフェの青々とした芝生の上に。 2500年ほど前のアクロポリスの丘と高尾の夏至の夜が混じりあったような、夢見の野外空間インプロビゼーション。大野一雄門下の伊藤虹氏の地をくねるダンスと、恒星天に上昇し神的空間を創出しようとする秦氏のオイリュトミーの掛け合いは妙味あふれ、最後はよぼよぼの翁媼となった二人の動きが観客を巻き込んで大爆笑の渦に。 ●オイリュトミー~秦理絵、ダンス~伊藤虹 ●古代土笛&聲&太鼓&波紋音~宇々地、多麻美 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/11/22 03:27:33 AM
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