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カテゴリ:エッセイ 後書き お知らせ
■■ ■■バイオダイナミック宿泊研修会@代々木 2008年10月20日&21日 日本有機農業研究会科学部主催になるバイオダイナミック農法宿泊研修会が、かれこれもう約2か月ほど前になりますが、秋のさわやかな空気とまぶしい陽ざしのもと、代々木の国立オリンピック記念青少年センターで行われ、私もあまりに興味深いそのプログラムに魅了されおぼつかなくも参加させていただきました。 講師としては、毎年の『種まきカレンダー』で皆様おなじみ゛ぽっこわぱ耕文舎”のドニー・ピリオさんと假野祥子さん。 日本におけるバイオダイナミックの先駆者とうたわれている農業者&農学者といえるお二人ですが、その気さくで謙虚な人柄は、実に力強い人間形成力へとメタモルフォーゼしているように、゛フォーラムスリー”などでの農業講座の際にお会いするたび思います。 さて、私が途中から飛び込んだ研修棟での20日の講義内容はやはりたいへん興味深いものでした。 この日のプログラムを列記しますと下記のように。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 【20日のプログラム】 ・講師紹介 ・DVD上映『バイオダイナミック農業のノウハウ』 ・バイオダイナミック理念と農業講座 ・「一つの有機体としての農場」 ・「BDの特性、宇宙の諸力、真のエネルギー、生きた/死んだエネルギー」 ・「種まきカレンダー」 ・DVD上映『ヒト・ウシ・地球』 (バイオダイナミック農業でインド農民を導くある老農の活動ドキュメンタリー) ・・・・・・・・・・・・・・・ 【21日のプログラム】 ・09:00~12:00 農業講座 ・13:00~14:00 ルドルフ・シュタイナーと業績 DVD上映 ・14:00~17:00 農業講座 ・18:00~19:00 質疑応答 ・・・・・・・・・・・・・・・ さて、参加者の方たちはみな豊かな農業経験の持ち主がほとんどのようにお見受け。 かなり実践的で具体的な質問や感想が飛び交う、生き生きとした講義内容でした。 日本農業の実際とともに、DVDで知ることができた海外のBD農場の模様は、ケミカルなものの導入の結果荒れ地と化したインドの大地の現状を知ることができ、さらにその荒れた土地が蘇るさまを見ることができて、たいへん興味深いものでした。 そして多国籍企業による種子販売の寡占と、ターミネーター技術、トレーター技術といった遺伝子組換えされた種子による弊害は、さまざまな局面で凄まじい悪影響を人々の暮らしにおよぼしていることを再発見。 興味深くも密度の濃い講座を、いったん夕方のお食事タイムで中断し、皆と食堂で歓談。共同学舎の方たちともいろいろお話。 夜は、またかなり突っ込んだ話題に。 いくつか下記に列記してみましたが、バイオダイナミックの理論と実践の差を調和させてゆく鍵は、穏やかな心で焦らないことのようにわたしは感じました。 ☆★☆ ・成長の遅い人参と早いジャガイモでは個性が違う。またトマトは終わりがない。 だから、 【満月から新月へ移行する時期は水の影響が強い】 満月の力が土に残っているので成長は早いが、病気が出やすい。>>人参向き。 【新月から満月へ移行する時期】 成長はゆっくり。病気は少ない。>>ジャガイモ向き。 ・トマトの種を作りたい場合>>わざわざ「実の日」にする。 同様にさやいんげんは>>「花の日」 インゲン豆の場合は>>「実の日」 ・一般的に0°は種まきにはよくない。180°はよい影響が多い。 たとえば本日10月20日は地球を中心にしてみると、月はふたご座、 木星はいて座にあるので180°の関係となる。 72°は植物への影響はなし。人間はぼーっとして事故が起きやすい。 ・人間が星座や惑星を通って霊界と地球の間で受肉と離肉を繰り返すように、 それぞれの惑星がそれぞれの植物に影響を与えている。 ・しかし、バイオダイナミックカレンダーはマニュアルではないので、 そのとおりにやれば全部OKというわけではない。 あくまで目安として使ってほしいと講師のお二人。 またカレンダーで塗りつぶしてある真っ黒の日は農作業を休みなさい ということではない。他の作業、をやればよい日であって、 「実の日」に追肥とかして折り合いをつけることもいいのでは。 ・『種まきカレンダー』に記載されていることよりも何より大事なのは現場。 農業者が自分の農場の堆肥や環境をわかっていなければ、 カレンダーがあっても無駄といえる。 ・ブナやモミといったドングリの種を植える際、当事者の研修生二人が 喧嘩していると芽が出ない確率がなんと80%にも及んだ! 農業者の気持ちは、作物に出ます!! ☆★☆ 質疑応答の時間がたつにつれ、お話は地球の輪廻転生や、多国籍企業による種子の独占、地球温暖化にポールシフト等々、さまざまに。 講師のドニー・ピリオさん ドニー・ピリオさんと假野祥子さんの講師お二人はこう最後に締めくくりました。 「さまざまな自然災害は地球にすんでいる人の意志が大きく関与していると思われます。ただ、それらを含め地球にとって危機的な惑星の位相も、すべて人間が成長するためのもの。 人類の年齢はいま20歳くらい。これから責任を持って地球に働きかけるようにやっとなったくらいではないでしょうか?」 心の静けさと平安。師走の忙しく慌ただしい最中でも、この心の状態をキープして作物の声や自分の身体の声を聞いてゆきたいものですね。 このような日本有機農業研究会科学部主催になるバイオダイナミック農法宿泊研修会が、継続的に行われることはとても大切だと感じた一日でした。 世話人で会の理事の山田勝巳氏 *なお研修会のテキストは『農業講座』イザラ書房 『種まきカレンダー』ぽっこわぱ耕文舎 でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/18 07:14:26 PM
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