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カタリナnote

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2008/12/20
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■越智章仁ピアノコンサート+森村大地(サックス)
(NPO法人工房あかね主催 My Friend concert2008)

2008年11月7日@高崎シティーギャラリーコアホール


ベーゼンドルファーのグランドピアノの響きも深々と、越智章仁さんの演奏がコアホールに響き渡る夕べ。

彼の作曲になる「海のように」は比較的長いものなのですが、低く高く鍵盤楽器とは思えないような滑らかな音運びで、私たちをしみじみとした情感に誘う素晴らしいものでした。

なんとこの「海のように」は10歳の時の作曲。

多分最初に得た楽想を長い時間をかけて育んでいかれたのではないでしょうか?

ショパンのような流麗さと、ドヴォルザークのような暖かな深みと、そして誰のものともつかないある種普遍的な悲しみとを感じてしまうような見事な大曲になっていました。



さて、コンサートの口きりとなった、お母様の朗読と越智さんのピアノによる「愛のBGM」も、このご一家のいままでの心あたたまる歴史を垣間見せてくれる素敵な一品。今は亡きお父様の存在が鮮明に浮かび上がってくる不思議な作品でした。



~今回のコンサートでは実演はありませんが、工房あかねの“リュウ2”こと「小柏龍太郎+前島芳隆」のユニットになる作品「マイフレンド」が、ステージ壁面全体に及ぶ大きさで掲げられ、見事にこのコンサートを表現していました。



~休憩をはさんで第2部は森村大地君のちょっとピッチの速い軽快なサックス。バッハの「G線上のアリア」ビアソラ「リベルタンゴ」でしっとりと聴かせ、おなじみ「星に願いを」「My favorite things」「オー シャンゼリゼ」と続くころには、子供たちもお母さんたちもみな大喜び。

お父様の森村三美さん(福祉事業所「ぶどうの木」所長)の巧みなギターとの相性もぴったりです。



その盛り上がりのまま、越智さんの第3部に続きます。

そこで演奏されたものはすべて彼の作曲になるピアノ曲。ダウン症という障害のため楽譜はすべて彼の頭の中にあります。曲目は「星ふる夜に」「秋のテーマ」「陽だまり」。

心にこれほど沁みこむコンサートってやはり滅多にありません。

本当に貴重な、素晴らしい音楽体験でした。



******************************************



わたしの通う“工房あかね”のスタッフの皆が奔走し、準備し、笑顔で迎えてくれた今回のコンサート。ちょっと遅い報告となりましたが、あの越智章仁さんの豊かな情感あふれるピアノの音は、皆さんにもうぜひ聴いていただきたく、こうして記する次第です。なお工房あかねのアトリエに集う人たちが描いた作品は11月30日に同会場で行われた「赤い羽根募金受配事業 ウエルコンサート」主催:NPO法人ミュージック・フォー・チルドレンの場においても、スライドで次々に舞台上での紹介がなされ、好評を博していました。



【アーティストプロフィール】

越智章仁 ピアノ

1977年、兵庫県相生市生まれ。愛知県海部郡在住。
    
    3歳でダウン症と診断を受ける。

1983年、相生市立中央小学校特殊学部に入学(2年間通学)。

    9歳より母の手ほどきでピアノを始める。

1987年、10歳でファーストコンサート。自作曲「海のように」を演奏。

1995年、養護学校高等部を卒業。同年秋、日本青年会議所主催トイップ大賞、
    厚生大臣奨励賞を受賞。

2004年、第8回世界ダウン症会議(シンガポール)で演奏。

2006年、第9回世界ダウン症会議(カナダ)で演奏。
    活躍するダウン症者におくられる、メリットアワード賞を受賞。

現在、私立作業所「ほっとハウス」に通勤しながら、全国各地で演奏活動を続ける。





森村大地 サックス

1988年、群馬県伊勢崎市生まれ。

生後間もなく猩紅熱にかかり脳性マヒとなる。英国キャッチ療法の機能回復訓練を2歳から始め、4歳で立ち上がり、5歳で歩けるようになる。

6歳、前島京氏に音感教育を受ける。10歳からピアノを石渡明子氏に師事。13歳、前澤文敬氏の勧めで呼吸器を強くするためサックスを習う。17歳ベーシストの藤原清澄氏と共演。18歳、藤原清澄トリオ、フェアリースティック、トリオサンズと共演。20歳、再び藤原清澄トリオと共演。ロスプリモスの藤井氏、堀けん氏と共演。

NHK、新聞他で紹介される。現在各地でソロ活動を行う。

2006年『うたえ君の心を』出版。





リュウ2 (小柏龍太郎+前島芳隆)

小柏龍太郎 

1979年、群馬県高崎市生まれ。
    ダウン症の障害をもって生まれる。

    1歳よりアメリカのドーマン療法の訓練を4年間続ける。

2000年、現代美術作家の前島芳隆氏と出会う。

「龍」と「隆」で「リュウ2」という制作ユニットを結成。




【おもな展覧会】

2002年「エイブルアートの世界(可能性の芸術)小柏龍太郎展」妙義山麓美術館。

2008年「タッチハート ふれあう展覧会」高崎市美術館。

2006年『小柏龍太郎は絵を描くことを「トバシ!」と言う』出版(あさを社)。




後援 上毛新聞社 朝日新聞前橋総局 読売新聞東京本社前橋支局 毎日新聞前橋支局







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Last updated  2008/12/21 12:09:46 AM



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