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カテゴリ:身近な出来事
髪をちょきちょきやってもらってたら、隣の席にどさっと座った客が言った。
「来るのが一週間遅れたけん、伸びとろ。いつも通りにしちゃって」 髪は一週間でどのくらい伸びるんだろうか? 2、3ミリ? 一ヶ月半か二ヶ月に一回のペースで髪を切るぼくには、一週間のズレはわからない。 それがわかるのかぁ。すごいな。きっと坊主頭のおじさんに違いない。 チラッと覗くと、ロマンスグレーの、りゅうとしたダンディなおじさま。60代前半かなぁ。オールバックが素敵です。 髪はふさふさしてる。短髪じゃないけど、いつもキチッとしてるから、一週間のズレがわかるんだな。 偉いもんだ。 いつも洗いっぱなし、乾きっぱなしオヤジは密かに感心。 一方、「伸びとろ?」と言われた理容師さん、「そうですね」とさらりと答えてちょきちょき開始。 客のヘアスタイルが頭に入ってるのかな。 大したもんだ。 でも、当たり前かな。特に手に職がある人は。 大学卒業間近、四年ぶりに行った寿司屋で、「お客さん、前はお母さんとお姉さんとでいらっしゃいましたね」と言われて度肝を抜かれたことがある。 確かに入学したばかりのころ、たまたま上京したお袋と姉貴と三人で入った店だ。 それ以来だというのに、カウンターの向こうのおじさんは覚えていた。 職人、恐るべし。 そう思ったっけ。 プロってすごいや。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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