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カテゴリ:身近な出来事
山本作兵衛さんの描いた絵がネットオークションに流れているとか。 世界記憶遺産に登録されてにわかに価値が出たので、押し入れかどこかに閉まっていたのを引っ張り出して小遣いにしようという人たちが結構いるということにちょっと唖然。 ぼくはおめにかかったことはないのだけれど、ご本人を知る人たちから聞いたところでは、作兵衛さんは自分の絵を欲しいと言う人には誰にでも気軽に渡していたという。 地の底に潜っていたころの話をとても鮮明に覚えていて、楽しくにこにこしながら話すその内容はとっても生き生きと面白かったそうだ。 お酒が大好きで、いつも一升瓶からついでは飲み、「作兵衛さんは米の飯は食わずに酒で生きてる」と言われていたとも聞いた。 若い頃から炭鉱で坑夫(この文字はぼくのワープロでは出ないのだけど、公的な使用は不可なのかな?)として働いてきた作兵衛さんが脳裏に刻んだ地下での出来事を絵と文字とで描き、記した絵の数々が「世界の記憶」として扱われるとは、ご本人は全然思っていなかっただろうし、周囲の大半の人もそういう価値があるとは考えてはいなかった。 記録画としての価値を言う人は以前からいて、作兵衛さんの絵は確かに見るだけではなく、書かれた文章を読み、描かれた絵を読むことでより活きてくる。絵ばかりではなく文章も、とってもおもしろいもんなぁ。 そして、こんなことがあったんだ、と接した側の脳にも刻まれる。だから、作品として掲げるよりも、みんなでまわし読みをした方がいいような、そんな存在だ。 作兵衛さんが快く渡した絵が、ネットオークションでは数万から数十万円の値がついているらしい。 それを直接渡された人の手で作兵衛さんの絵がネットに流れているとは思いたくはない。人手を渡り、流れているうちにオークションの場にたどり着いた。そう思いたい。 が、釈然としないなぁ。 人からもらったモノを売るという感覚がまず分からないし、伝えることで価値がある作品なのだから寄贈するなりすればいいのにね。 降ってわいたような価値であぶく銭を得て喜々とするのかな? わからん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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