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こうやって書いていると、ちょこちょこと思い出してくるもんだなぁ。
2016年大晦日。母、入院三日目。 午後1時過ぎに病院を訪ねると、仕事を終えて帰宅する担当医に駐車場でばったり。 「ずいぶんお元気になりました」 年末ギリギリまで勤務、お疲れさまです。 病室のある階にエレベーターから降りると、 「ポッポッポー」 聞き馴染みのある声がする。機嫌のいいときは童謡を歌うことが多い。三つ子の魂百まで、なんだろうか、やっぱり。 電動ベッドに支えられて体を起こしていた母は、ぼくの顔を見て「おや?」という顔をした。どこかで見たことのある顔だわ、と思ったのかもしれない。 顔色も良くなってきた。額に手をあてる。熱もないようだ。 「きつくない?」 「きつくなんか、ありまっしぇーん。ポッポッポー、ハト、ポッポー」 調子が戻って来て、騒がしさも戻って来た。 病室にテレビはないし、あってもテレビを見る習慣がない。 ずっとベッドじゃ退屈かもと、詩集や本人の著書など、自宅から持って来た本数冊をベッドを横断するテーブルの上に置く。 「これは、何ですか?」 「あんたが読んでた本よ」 「ふ〜ん」 で、関心は歌に戻った。 認知症が強くなってからも日がな一日本に目を落としていた母だけど、活字に対する興味はまだ復活してないらしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.05.01 20:50:21
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