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島流れ者 - 悪意なき本音

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2004.10.13
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カテゴリ:休日の過ごし方
ジイちゃんのところに滞在中に、アメリカ大統領選挙のディベートがテレビで放映された。ジャックと私は骨の髄までデモクラティック、そしてじいちゃんは頑固なリパブリカンだ。テレビを見ながらジャックとじいちゃんは熱い論議になった。私はあくまでも第三者として一切コメントせずに彼らのつばを飛ばしあうまでのバトルを冷静に見守る。ジャックの言っていることはとても理にかなってはいるのだが、何てったって、ジイちゃんいつも仕舞いには、“そんなこと知ったこっちゃない。わしは89歳、この年になったらどんなことでも大した事はないんだよジャック。”と、それですべてが解決されてしまうんだから。このじいちゃんを相手に勝とうと思ったら一世紀早いってものだ。

そんなジイちゃんでも、やっぱり年には勝てぬ。私たちがいる間に医者との電話での会話で、少し前に受けた心臓の検査結果が出た。それは24時間の彼の心臓の働き具合を見る装置をつけたところ、5回ほど心臓が短く停止していたことは判明したのだった。そのために、地価じか心臓のペースメーカーをつけなくてはいけないということになったので、さすがのジイちゃんもちょっと落ち込んだ様子だった。その日はいつも医者から制限されて守っているお酒の量を、“くそくらえっだ!”ってな具合でちょっと越してしまったために、突然ふらっと倒れそうになる瞬間が二度ほどあったので、ジャックと私はとても心配になった。

翌朝もしかして、彼が起きないかもしれないと心配したが、キッチンではすっきりした顔のジイちゃんは朝食のグレープフルーツをおいしそうに食べていた。心臓の専門医に会うために、車で一時間ほど掛かる病院にまで一日滞在を延ばして送っていくと申し出に、頑固者のジイちゃん、“わしは大丈夫だ!”と言い張っていた。あまりにも調子がぱっとしないようだったら無理やりにでもそうするつもりであったが、その後、様子を見ていたら、いつもの元気なじいちゃんに戻っていた。多分、お酒をちょっと飲みすぎたのと、年の割には驚くほど元気であると自負していたところに、ペースメーカーを入れるということがとてもショックであったのだろう。だから結構落ち込んで、気分が悪くなったようだった。

四日間の短いオレゴン滞在を終え、素敵なスーパージイちゃんに別れを告げ、再度ジャックの父さんのところに泊まってから、楽しかった、9日間の長いロードトリップは幕を閉じた。

***終わり***





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最終更新日  2004.10.13 00:31:46
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