今回のお盆休みは旅に出た。
旅に出る理由は色々あるけれど、一番は色々あってから一年経つので、国内に居るのも
辛く、思い切って旅に出る事にした。
今まで行ったことのないアジアがいいと思った。
そして、出かけた先は一度訪ねてみたかったバンコクに出かける事にした。
何故、バンコクを選んだかというと、自分の好きな小説
サヨナライツカの舞台になった街、
特に彼女が滞在していた、マンダリンホテルに行って見たかった事もあり、
行く事を決めた。
いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある
どんなに愛されても幸福を信じてはならない
どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
愛なんか季節のようなもの
ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ
サヨナライツカ
永遠の幸福なんてないように
永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる
人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトにわかれる
私はきっと愛したことを思い出す
この冒頭の文章はその通りだなと実感してしまう。
貧富の差が大きく、街中の路上では物乞いをする、親子も多く見かけた。
言葉は通じないが気持ちは伝わる。
ホテルではインド系の人やイスラム系の人々、白人、黒人、中国人、日本人、共に
朝食を食べる。ベジタリアンもいれば、そうでない人も皆静かに朝食を食べる。
世界は争いやテロが絶えないと言うのに、どこの国でも一部の教養も無く貧困な人が
自分の利権を勝ち取る為に、嘘をつき争いごとを起こしているのだと思う。
悪はどんな時代も無くならないし、正義はその名の元に悪事を働くのであろう。
昔、職場の先輩の言葉を思い出した。
「なぁ、人生で死にたくなったら、死ぬ前にバンコクに行きな、そうすれば大抵の事は
忘れてしまうから。」
その時の意味は解らなかったが、今ならわかる。
太陽の人の国はとてもやさしく礼儀正しい両手を合わせてお礼を述べる国の人だった。
彼女はどうしているのだろうか?
離れてみてわかる事もある。それが、男と女の違いだろうか?
そんな事を考える一年後の夏だった。