シナモンを迎え入れる
我が家初のシナモン文鳥 朝、病院に連れて行けるか考えたが、口をパクパクした状態では、通院途中に暴れて心臓発作を起こすのが怖いので止める。 ヨタヨタして歩行もままならないが、食欲はあり、この状況でも換羽は着実に進んでいるところを見ると、消化器などに問題がないように思える。やはり、心臓の衰弱状態が換羽で加速されたと言うことか、とすれば、換羽を乗り越えれば小康を得ることが出来るかもしれない。しかし、小康を得たとしても、元気はつらつの夫のゲンと同居するのは、それだけでも疲れてしまいそうだ(いつもハゲ増しあっていた夫婦)。いっそ一羽暮らしの方が気楽に養生出来ようから、ここはゲンには新たなパートナーを探しておいた方が無難だろう。・・・と、午前中仕事をしながら考えた。 そこで、自転車で山を下って市営地下鉄蒔田町駅近くの鳥獣店に行く。繁殖させて子孫を残すのを目的にしないのなら、羽色はいろいろあった方が楽しいはずで、2月にマキを取寄せてもらった際に、このお店にやたらシナモン文鳥がいたのを見ていたので、この際、我が家初のシナモンを迎えてしまおうと目論んだわけだ。 やたらインコの種類が増えている・・・。シナモン、1つのカゴに2羽ずつ6羽いた。そのうち1ペアはつがいとして値札が付いている。残りの2ペアは無表示だ。つがいのメスと思われる一方は、白い差し毛があるのはご愛嬌だが、どうもピンとこない。残りの4羽のうち、1羽だけメスに見えるのがいる。しかし、当然よく分からず、しばらく見ていて、メスに見えるシナモン以外で2羽がさえずりオスとわかった時点で店主に声をかけた。何しろこの店は空気が悪く長居したくないのだ。 シナモンのメスはいるかと尋ねたところ、前の件(2月にマキを取寄せてもらった件)を思い出したらしく、「取寄せですか?」と聞くので、取寄せなくてもここにいるのはダメなのかと言うと困った顔をする。それでも私がメスかなと思ったシナモンを、「これはクチバシが細いんですが・・・、仲が悪いんですよ」などと言う。初め意味がわからなかったが、どうやら、カゴに一緒にいても離れ離れに位置するので、オス同士ではないかと見ているらしい。 素朴ながら一理ある。しかし、オスとメスなら仲良くすると言うものではない。仲良くするなら、よく文鳥のぺリングで行われる「相性を見る」などという行為は意味がないではないか(もっとも、個人的には相性を見るために短時間見合いなどしてもわからないと思っている)。逆に仲が良くても同性であることなどざらに存在する。やはり、店主にはさえずるか否かを確認してもらいたいものだが、そういった要求が出来る立場ではないのでは言葉を飲み込む。 とりあえず、オスなら取り替えてもらうとの前提でメスかも知れないシナモンを購入することにする。勘定、4,250円と言うので、そんなに安いのかと念を押すが、そうだと言うので要求されただけを支払い、「たっぷりエサを食べさせて、もしさえずったら連れてきます」と言い置いて自転車でスタコラ帰ったのであった。 体重27gで結構大柄、頭が小さく均整が取れた体格で、人間が嫌いで活発だ。ただ、周囲に音を出す生き物が存在しない場所に置かれて身の置き所がない様子だ。従って、オスのさえずりも、メス的な甲高い単音も聞こえない。問題は明日だろう。一泊で帰るか、我が家に加入するか、四分六分といったところかと思う。 夜、オッキの体調は下げ止まってくれたようで、昨夜並み、もしくは昨夜よりも力強い動きが見られた。具体的に言えば、昨日はエサ箱の縁に留まれず中に入り込んで食べていたが、今日は何とか縁にしがみついて食べることが出来た、といった違いだ。 ひとしきり食べ、水を一飲みするとそわそわ動くので、やんわり捕まえてつぼ巣に戻す。・・・、母親のゴンを思い出すが、オッキの方が換羽ながらはるかに素直だ。何しろ、カゴから出たい時は、一所懸命手に乗るのだから。 このまま小康を得て欲しいところだ。