自販機使用の自粛要請を!
まずは、輪番停電についての、朝日新聞の記事によれば、現在、東京電力の発電量は1日3,100万キロワットで、需要に1,000万キロワット足りない。従って、供給を超過しないように、今の季節で一番消費量が多くなる午後6~7時を含めて、地域ごとに3時間停電を実施すると言う。 しかし、それならば、家庭での炊事の時間をずらしたり(炊飯器を早く設定し保温すれば良い)、工場の操業を夕方で停止するといった、具体的な要請を行うべきであり、昨日も触れた自動販売機は自粛「させる」べきだろう。 自販機の電力消費を過小評価してはいけない。あれの基本は冷蔵庫でしかないが、冷蔵庫こそ、通常家庭で一番電力を消費する電化製品なのである。実際、日本自動販売機工業会の統計によれば、缶ジュースの自販機だけでも全国に約220万台存在し、1台あたり年間で約1,100キロワットもの電力を消費しているのである。とすれば、東電管轄内の自動販売機数を全国の半分として単純に考える限り、次のような計算式が成り立つだろう(この付け焼刃の理屈には自信がない)。 1100キロワット÷365日×110万台=約332万キロワット つまり、不足電力量の約三分の一に達する。確かに、缶ジュースの関連業種の人には休業補償など考えなければならないが、夕方から夜の3時間に停電にしてしまうより、経済的な影響も軽微だろう。 確かに、東北地方の太平洋沿岸部が壊滅状態になる未曾有の事態が、どれほど今後影響してくるか想像できない者も多いようなので、大都会を頻繁に停電させて自分の身に置き換えて考える機会とするのも、十分に有意義ではある。しかし、しばらく常態化するはずの電力不足に対して、輪番停電を継続するなどといった対策では、計り知れない影響を及ぼす危険が大きい(電力会社や政府は影響を過小に考えているような気がする。実施してから非難ごうごうで撤回するようでは先見性の欠如とされよう)。日本人は、自粛しろと言われたら我慢してくれる国民性のはずなので、被災者の救援で多忙を極める折ではあるが、一人一人に出来る節電を具体的に説明して欲しいと思う。