桜文鳥の安定供給を祈願して
平穏な中でなぜかポンとシンが激闘している 今日は仕事が少なかったので、早めに散歩に出かけた。徒歩圏内のペットショップは、とりあえずチェックしておこうと思ったのだ。 なお、私は、今のところ、可能な限り、文鳥の生体はショップで直接見て買うべきものだと思っており、また、普段近づかないペットショップをのぞき見するには良い機会なので、あえて事前に目的の文鳥がいるかどうか確認の電話もしない。従って、毎回、経巡ることになる。偶然見つけて、よくよく見て気に入るなり妥協して買う、それを望んでのことと言って良い。 まず蒔田の田中鳥獣店。シルバーが4羽、白が1羽。産地と値段が書いてある。シルバーの価格は高いように思えたが(ペアで2万円)、供給量が減ったのか、今年はどこも割高な傾向があるように感じる。そのまま、一般的には歩く距離ではない気もするが、テクテクテクテクテクテクと横浜橋のさらに先、グローバル動物病院並びのウラキペットセンターに行く。アクア系統のペットショップの競争が激化したためか、取り扱う鳥種が一時よりずいぶん増え、往古の状態に戻りつつある感じだが、文鳥は店頭のシナモン3羽と店内の白1羽であった。シナモンは顔も体格もデカイのがさえずっていて、「クリの相手にふさわしいのに・・・」と思ったが、クリがシナモンを嫌う可能性が高いのであきらめた(クリが好意を示すのは濃い桜文鳥のノコリ・マナツ父子)。 再びテクテクテクと石川町の石田小鳥店に行く。このお店は、個人的に大変好きなのだが、これまでに見かけた成鳥は白文鳥ばかりだったので、利用機会が少なくなってしまっている。何しろ、店主のオバちゃんはペンギンみたいな柄の桜文鳥が好きだと昔言っていたので、それにもかかわらず桜の成鳥がいないのは、仕入先が白文鳥主体の繁殖家であるのかもしれぬ、と私は思っているのだ。 ・・・で、何と、今まさに、若い男とオバちゃんが文鳥の生体の商談中であった。チラリと見たところでは、白とゴマ塩の成鳥が1羽ずつ入れられているカゴを、客の男が真剣に見つめ、オバちゃんは桜と白のヒナが入ったプラケースを持ってきて、何やら話しているところであった。・・・ごま塩、ウチの文鳥どもには需要無いなぁ。ヒナ、桜を育てたら・・・。数ヶ月も経つとどうなっているか分からず、それなら我が家にも増やすだけなら1シーズンで3ケタに達するかもしれない「生産ライン」があるわけで・・・。商談の邪魔をしないように引き返し、テクテクテクと関内まで出て、バスに乗って帰ってきた。 さて、どうしたものか・・・。 【附】文鳥の価格雑考~桜でシルバー並みに儲けてね!~ 成鳥の値段をどういった感じに設定するのか、お店によって異なるはずだが、例えば桜文鳥を2,500円、白3,000円、シナモン3,900円、シルバー4,900円で仕入れたとする(根も葉もある数値なので細かい)。これにまず売れるまでの展示コストとして500円を足し、さらに利益を60パーセントとして1.6を掛ける。すると、桜文鳥は4,800円、白文鳥5,600円、シナモン7,840円、シルバー8,640円となる(ヒナの場合なら、桜1,000円、白1,200円、シナモン3,000円、シルバー3,800円で仕入れた場合、同様の計算で、2,000円、2,500円、4,500円、7,000円となる)。 桜や白がこれよりも安い場合は、仕入れ値が安いことを示すはずで、その理由としては、成鳥なら繁殖廃用の鳥とか(「若親」などと書かれて売っているのは、生後1年未満で、生後3年以上の「廃用」文鳥ではないとの意)、ヒナの売れ残りが店に居続け成長したといったところであり、一方ヒナなら、輸入もの、または卸売会社を通さずに繁殖家と直接取引している、といったところであろう。 この推定を元にすれば、単価の安い桜文鳥の成鳥を1羽売って得られる利益は1,800円に過ぎないのに対し、シルバーは3,240円となる。当然ながら、店としては単価の高い種類を扱いたいので、売れ行きが変わらなければ、桜よりシルバーになる。しかしながら、逆に1羽で1,800円を儲ければ良いという発想を持つお店があれば、シルバーの小売価格は1,440円安い7,200円で良いことになる。一種の価格破壊だ。 高価になっても桜文鳥を扱って欲しい私の発想では、1羽3,240円儲けたいのであればそうしてもらえば良いことになる。価格破壊をして望み種類の流通が破壊されてはたまらない。つまり、桜文鳥の成鳥価格なら、2,500円【仕入れ値】+500円【展示費用】+3,240円【利益】=6,240円にしてもらって何の不満もない。4,800円を買うために時間も労力も交通費もかけて方々経巡り、買っても店側に利益が低い商品で喜ばれないくらいなら、6,240円でしっかり扱ってもらったほうが、どれだけ気楽で得か知れたものではない。 ペットの多様化で文鳥そのものの需要が減る中で、さらに安くしようとばかり考えて、安かろう悪かろうになり、利益率が下がり扱うお店が減り、それを克服するために割高な新色を提案するなど、アパレル業界ではあるまいし、いい加減に供給側の意識を変えるべきだろう(飼料や用品もしかり。メーカーは安くすることばかり考えているが、単数飼育が多くなった現在、付加価値がついて高価な方が好まれる消費動向を理解できていない。数百円の安物など、100円の中国産より、供給が安定し安全性が確保されていれば、2、3倍の価格でも国産が喜ばれる時代)。