ほうれん草ノーサンキュー
レジ袋が好きなイトはん ネットスーパーの配達区域なら、どこで生活しても同じと信じている私は、現在、イトーヨーカドー、イオン、西友のネットスーパーを利用している。主目的は、小松菜である。我が家の文鳥たちのために、1日1袋(200gほど)用意しなければならず、1週間に1回の生協の宅配では間に合わないのだ(小松菜はあまり日持ちしない)。 今日は、風が強くなるらしかったので、買い出しに行くのが面倒になると考え、昨日のうちに小松菜その他をイオンに頼んでいたが、午後、代替品としてホウレンソウを持ってきやがった。「たわけが!!」と配達担当者を罵っても仕方がないので控えたが、代替にならないので、キャンセル扱いで引き取ってもらった。 かなり不機嫌になりながら、近くのスーパーに、小松菜だけを買いに行くことになったが、結果的に、物も良さそうな小松菜が(『昔がえりの会』という農業法人が栽培したもの)、安く買えたので、あっという間に機嫌を直した。 念のため断っておくが、イオンは無い方が少ないほど断トツに代替品が多いが、今まで、苦情を言ったことがない。しかし、ほうれん草を小松菜の代替品とする感覚の売り場担当者には、うつけ者の烙印を押さねばならない。 なぜか?だって、ウチの文鳥は小松菜を食べるがほうれん草は食べないので、代替品にならないからだが、それは我が家の文鳥のせいではない。確かに、一般的には、似たり寄ったりの野菜と認識している人も多いのかもしれないが、もともとは、アクの強いほうれん草とアクの少ない小松菜では、味わい以外でも大きな違いがあり、別物なのである。 もちろん栽培品種は多様なので、小松菜のようなほうれん草は存在する。アクが少なく生で食べられるし、もしかしたら、それを好む文鳥も言えうかもしれない。しかし、本来的な性質を持ったほうれん草も有り、たまたまほうれん草らしいものを購入しても、小鳥が生で食べられないと文句を言うわけにはいくまい。逆に、小松菜のくせにほうれん草のような性質を持った品種があれば、小松菜として売りながら小松菜として利用できないと、不当表示を訴えても、無理筋とは言えないはずである。 つまり、本来あるべき小松菜とほうれん草の姿は別々であり、一般にも別々のものと認識され、別々の用途を持つ原材料である限り、代替不可能としなければならない。それは例えば、カレー用牛肉の代替品として牛のスネ肉を持って来るのと、カレー用の豚肉で代替出来ると考えるのは、性質が異なるのと同じことだろう。「カレー用牛肉」を注文され、それが無ければ、それに近い代替品を提供するべきで、勝手にカレーを作ると判断し、カレーの具材としての代替品を、自分勝手に選んではならない。「カレー用牛肉」をカレーに使用するとは限らず、そんなことを売る側が勝手に判断するのは僭越なのである。そもそも、カレーにしたところで、ビーフカレーのビーフの内容を変えても苦情は出にくいが、ビーフカレーを注文した客にポークカレーを出せば、たぶん怒られることくらい、連想すればわかるはずだ。 このセンスに欠いてしまえば、「たわけが!!」と手討ちになる危険性が出てきてしまう。思えば、物を売るのは難しいものである。 ちなみに、小松菜と名づけたのは、超先進的動物愛護精神を持つ徳川綱吉様と言われているそうだ。まったく、何につけ尊敬に値する上様ではないか。